内容説明
農林漁業のような再生産可能なものだけを「生産」と経済学は定義すべきであった。他方、石油からナイロンを作るような工業の産出は「二つの負を伴う製造」と定義すべきであった。負の一つは製造、廃棄(自動車の様な場合は使用過程)から排ガス(高エントロピー)が出る、これが環境汚染、自然破壊の原因である。それらの製造には化石燃料、鉱物資源等を消尽する。失われた資源はこの地球から永遠に無くなる、これが二つ目の負である。既存の経済学は生産と製造を混同してきた。この経済学の判断から様々な問題が生じてきた。
目次
序章 欲望と日本資本主義―都市と農村の原理
第1章 エントロピーの法則と現代経済学―狭義の経済学の限界
第2章 エントロピーの法則と貿易論―自由貿易論の落とし穴
第3章 自由貿易の矛盾―カルフォルニア米を分析する
第4章 土地と生産―田畑輪換の経済的考察
第5章 エコロジーと現代経済―21世紀産業の方向
終章 価値観の転換を考える―本当の「しあわせ」を求めて