出版社内容情報
「授業とは子どもの深いところに一つの事件を起こすことだ」。林先生の授業のなかでの子どもたちの表情がそれを裏付ける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コジターレ
11
「教育」と名のつく職業に携わっている人すべてに読んでほしい本。私たちは、良かれと思って子どもたちから多くのものを奪っていることがよく分かる。それは、学びたいという渇望、考えたいという強い思い、学ぶことを楽しみたい気持ちだ。教師や教育学の語源が「付き添う」「連れていく」という意味なのに、大人は「教える」ことの囚われから抜け出せない。このことがどれほど罪深いことか、子どもたちの表情を捉えた写真が物語っている。著者の本は2冊目だが、もっとたくさん読もう。著者の考え方や実践を学びたくて仕方がない。2023/11/26
ともふく
10
先生向けの本でした。しかし、会社でも、社員を型にはめずに、それぞれが持っている力を十分に引き出せているのか、をよく考えなければいけない、と感じました。2021/05/02
ナディル
2
再読。林先生の教育観はあまりにも深くかつ根源的だ。真摯に学ぼうとすれば虚飾なく自らに向き合い変わらざるを得ない。そしてそれは容易なことではないということすら分かっていなかった若かりし日の自分は闇雲にもがくことしかできなかったのだった。30年近く開くことさえできなかった林先生の本だが、もう一度、少しづつ、今度はあまり気負わずに向き合っていけたらと思いました。2023/05/12
Koji Yamamoto
1
現在の義務教育は人間性を破壊していると著者は訴える。授業とは子どもの中には事件を起こさせること、つまり今まで知っていた事項が本当にそうなのか揺さぶり、共に吟味していく作業である。そして問題から追い詰められるという経験をさせるということが大事なんだと。林竹二氏の教える姿で印象的なのはどんなことでも受け入れようとする笑顔だ。この本に載っている生徒たちの顔からは本当に真に学んでいる姿が見られる。本当に学びに集中していたら嬉々として発言する姿などないのだ。教えるということを再考するよいきっかけとなる本である。2016/02/14
まーちゃん
1
小学生や高校生の考え込んだ、深い表情が衝撃的だった。年齢や学力に関係なく、あんな表情を導き出す授業ってどんな授業なんだろう。2015/06/03