内容説明
プラハ旧市街に粉雪舞うクリスマスの夜店風景、薪代わりに燃やしたムリリョの絵とルーブルで再会する話、中学生の頃好きだった女の子の孫娘と後年果たせなかったキスをしたこと、撤退中のナチス軍に捕えられ九死に一生を得た体験、師と仰いでいたタイゲの壮絶な死、戦時中一家全員を虐殺されたユダヤ人少女エルザとの感動的な再会と別れ…。全101篇にわたって永遠に若さを失わない詩人のヒューマニズムとリリシズムがあふれ、ともにプラハやパリの街角を歩むような気持ちにさせてくれる希有の一書。
目次
第1部 雪の吹き寄せたすべてのもの(旧市街広場の市;造花のスミレの花束;私たちはレーニンといっしょに滑った ほか)
第2部 暁の女神エーオース(心からの知らせ;初恋;レーヴ師の墓で ほか)
第3部 石炭市場の夜(旧市街の天文時計;キッチンの柱時計;私の生まれた賃貸アパート ほか)
第4部 深山烏いっぱいの空(ネラホゼヴェス村への道;ウ・ハラーンクーの建物;最初の三つの詩集 ほか)