内容説明
江戸後期の地方文化が生んだ民俗学的紀行。
目次
発端
塩沢‐見玉
見玉
清水川原
三倉
中ノ平
大赤沢
甘酒
小赤沢
小赤沢‐上の原〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
8
『北越雪譜』で知られる鈴木牧之による紀行文。秋山とは現在の新潟県の峡谷地の一帯を指し、当時から秘境として人の口の端に上るほどだったらしい。十返舎一九が(たぶん)軽い気持ちで彼地について書かないかと持ちかけ、その気になった牧之は出版を前提とした旅に出た。だが旅を終えて浄書した原稿を江戸に送った矢先、タッチの差で一九は亡くなってしまったとのこと。また、一九は笑い話にして世に出そうとしていた節があるが、牧之は民俗学的な知見を散りばめた味わい深い紀行文を書き上げた。現在とは別世界の山里の旅は格別のものでした。2015/09/30
ワッピー
6
江戸末期、十返舎一九から秘境探訪企画として執筆を依頼された鈴木牧之は、秋山郷へ足を運び、地誌・風俗・習慣・言葉などを丹念に聞き取っています。当時としてはかなり難儀な旅で、険路が続き、夜も眠れないほど寒い宿など、高齢の牧之がよくも行けたなと思います。もともとの企画の趣旨のためなのか、文化人・都会人の牧之の描写はやや上から目線になりがちですが、郷の人々はおおらかに受け入れて歓迎しています。ワッピーが子供の頃に愛読した松谷みよ子「日本の伝説」にも紹介されていた「名刀とかげ丸」のエピソードも網羅されていました。2017/10/10
たなべゆみ(次郎吉)
0
書き写しの秋山紀行を見せていただいたが、難解な部分があったので、現代語訳と合わせて読みました。2016/09/23