還らぬ時

還らぬ時

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 282p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784770409140
  • NDC分類 989.83
  • Cコード C0097

内容説明

一九一四年初秋、第一次世界大戦勃発の日、それはユダヤ教暦上もっとも重要な「裁きの日」であった。息子を戦場に送った老ユダヤ人タクが、嫁と孫娘の三人で切り盛りするガリツィアの町はずれの旅籠は、コサックのポグロム(虐殺)を逃れてきた難民たちでごった返し、さながらノアの方舟と化している。物語は、宗教的時間と歴史的時間とが濃密に交錯してドラマチックに展開する…。多民族、多宗教が共存していたオーストリア・ハンガリー帝国で恩恵に浴してきたユダヤ人社会の運命を、イディッシュ語の世界で育ったユダヤ系ポーランドの作家が万感の思いを込めて描く長篇。巨匠カヴァレロヴィッチ監督の名画『宿屋』の原作。本邦初訳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きゅー

11
第一次世界大戦勃発の日、オーストリア帝国領のとある町外れの旅籠で起きた物語。キリスト教の神が愛の神であるとするなら、ユダヤ教の神は怒れる神、裁きを行う神だ。ユダヤ教徒たちは、まるで父の懲罰を怖れる子どものように神の膝元にすがりつこうとする。しかし美しく若いアーシャは無駄に殺される。そこで浮き彫りにされるのは神の無慈悲。旧約の神は殺人の神ではなかったか。聖書の中でいかに多くの人々がいたずらに死なねばならなかったか。ここに描かれるたった一日の中にユダヤ人の苛烈な歴史を見るようだ。2015/01/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/642179
  • ご注意事項

最近チェックした商品