内容説明
その獣は二本足で立ちながら彼の方へ数歩進んできたが、彼の姿を見て興奮したように手で草の束を引き始めた。ダァクウはひどくびっくりして山腹を逃げ降りた。彼はただ、この動物の毛の色は赤茶色だったようで、背丈は小さな人間くらい、ガッチリしたカラダつきで全身毛が生えていた…永遠の謎とされてきた雪男の実像を求めて、ヒマラヤの雪上を探検する男たち。うすい空気のきびしい高地で男たちが見たものは…。
目次
ストナーの報告書
キャラバンと最初の出撃
雪に敗北す
ナンパ・ラへ
さらに新たな証拠―もう一つの頭皮 恐怖
エベレストへもどる
再びカトマンズへ―さらにダージリンへ
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takeapple
6
1957年刊行の古い本だけれど面白かった。イギリスの新聞社が真面目にヒマラヤ山中でイエティ調査をした時の記録。成る程、これなら、と思える。7ポ二段組350ページというのは、老眼にはちょっときついけれど、もっと新しい新訂本もあるようだ。この後に、角幡さんや根深さんの本を読むといいのかも!どちらにしろ、ヒマラヤに行ってイエティ探しをやりたいと思わせてくれる本!2014/08/31
印度 洋一郎
1
1950年代初頭に、イギリスの新聞社の後援で行われたヒマラヤの雪男捜索隊の探検記。とは言え、実際には足跡と糞しか見つからず拍子抜け。どちらかと言うと、普通に二十世紀半ばのヒマラヤ登山記としても読める。基本的にはイエティは実在するという主旨だが、ことさらに強調していないところが好感も持てる。UMA関係では有名な”イエティの頭髪”を借り受けるために現地の人達との交渉に悪戦苦闘するが、やっと手に入れた毛を分析すると「よくわからない」という結論だったそうだ。今はどうなっているのだろう。2010/12/08