内容説明
武家という男性社会が作りだした規範の中で、強く、したたかに、精いっぱい生きた女性たちの姿を描く。女性史研究に取り組む著者は、地方に埋もれていた女性の手になる文学作品を発掘し、そこから彼女たちの叫びや怒り、喜びや悲しみを丹念に読み取ろうとする。そうした作業をとおして生まれた本書は、“会津”という一地域の、主として武家階級の女性たちを取りあげ、その足跡をたどりながら、郷土の歴史を女性の視座から見つめなおす。
目次
第1部 江戸前期の女たち(祖心禅尼―将軍・家光の心の師;会津と武田家の女―信玄の娘たち;藤木いち―「花嫁道中記」を書き残した会津藩家老の娘;下賜妻のたたかい―会津藩主・松平正容の拝領妻たち)
第2部 幕末・明治期の女たち(関山通子―幕末・明治を生きた女流歌人;おふみさん―白虎隊士の母;日向すみ―斗南藩開拓をささえた妻;仁侠の女・菊地良―『神保雪小伝覚書』の著者;湯浅やえ―講道館の母;松平照子―鶴ヶ城籠城戦のシンボルとして、歌人として)
付録 会津藩の女子教育について
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- 和書
- 平家物語の形成と受容