内容説明
木の文化は、日本古来からの文化的特色である。恵まれた自然環境が生み出した多くの森林樹木により、木造建築、家具、彫刻など、日本人は木に親しみ木と共に生活してきた。そこに培われた日本人の情感すらも木の影響を大きく受けている。木を畏れ敬い、神の眷属もしくは神そのものとして巨樹をあがめたのは、いつの頃からであうろうか。そして、天孫降臨などのカミ観念の母胎ともなった巨樹巨木は、信仰の対象としてだけでなく、いまなお現代人の心の大きなよりどころとして生き続けている。こうした巨樹と日本人の交歓のさまを、『桜の精神史』『樹霊千年』などの問題作で木の文化と正面から取り組んできた著者が、ここに新しく想を練り『巨樹の民俗学』と題して世に問う論考。
目次
1 巨樹への視点
2 巨樹からみた日本文化誌
3 巨樹伝説
4 巨樹のもつ意味と機能
5 巨樹と日本人の心的活力
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- 和書
- 君たちはどう生きるか