感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Lara
56
「ライ麦畑でつかまえて」の著者JDサリンジャーが、9つの短編を集めた。けして明るく、楽しい雰囲気はない。むしろ、奇妙で、不思議で、不可解さが目立つ。何故これら、9作品のか疑問に思った。2025/03/12
スイ
22
構文はさほど入り組んだものではないのだけど、見慣れない単語が多く、スローペースにならざるを得なかった。 柴田元幸訳が珍しくスッと読めなかったのは、この原書の空気まで訳そうとしていたからもあるのかと思う。 しかし、スッと読めないことで一語一語しっかり読めた、この9つの物語には合っている文なのだろう。 会話文が活き活きしていて好き。2025/08/22
佐島楓
19
シチュエーションが想像しづらい短編が多くて、英語力のなさを痛感した。登場する人は不器用な人が多いように感じた。サリンジャーだから、というバイアスがかかっているからかもしれないが・・・。とにかく語彙を増やす努力をしなければ。2012/03/08
コニコ@共楽
15
柴田元幸氏の翻訳を読んでから、原語ではどんな文体かを知りたくて手に取ってみた。思ったより一文一文が短く、キビキビと読みやすい。半世紀以上前にこの文体はとても新鮮でおしゃれだったんだろうと思う。面白いのは、大人より、子どもの方が難しい単語を使っていること。エズメやテディがその例。短篇の作品が進むごとに宗教色が強くなっていく雰囲気が出てきて、年を追うごとにサリンジャーのイキイキとした文がしぼんでいく気がした。2025/05/09
イタリアンでこちん
13
原書読みました。絵画を表現する時に、感動した絵画は目を閉じれば、鮮明にありありと光の陰影と美術館のムードまでをも再現出来ますよね。脳の中に鮮やかに。でもその感覚を言葉を媒体にして、口語で表せますか、ペンを使って文章に書き落とせますか、又、筆を手にして形として描けますか、勿論、私にはその様な、優れた才能は全く無いので色彩、色調を言葉で表現したり、描く事は到底できません。サリンジャーはこの感覚をこの九編の短編に纏め上げてタイプの異なる「Cheat」を表している様に感じました。 続2009/09/28