感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひじき
18
黒い雨とは原爆が落ちた後に降るタールのような雨。物語の設定は終戦から数年後だが、大部分を原爆投下の8月6日から15日までの主人公の日記が占める。すべてが吹き飛ばされ燃え上がる広島市内を彼と妻と姪が徒歩で避難していく下りでは、ありとあらゆる無惨な死傷者の姿が淡々とした筆致で描写され、逆に恐ろしさが掻き立てられた。全体を通して、原爆を投下した相手国はあくまでも enemy か B-29と表記され、一度も国名は出てこなかった。被爆後の苦悩も想像を絶するものだったが、原爆投下国の姿が見えてこないのが印象的だった。2016/08/15
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