目次
経験事実から導き出された知識としての科学
実践的な介入としての観察
実験
事実から理論を導き出す―帰納
反証主義の導入
洗練された反証主義、新しい事実の予言と科学の成長
反証主義の限界
構造としての理論1:クーンのパラダイム
構造としての理論2:研究プログラム
ファイヤアーベントのアナーキズム的科学論
方法における方法的変化
ベイズ主義的アプローチ
新しい実験主義
世界はなぜ法則に従うべきなのか?
実在論と反実在論
著者等紹介
高田紀代志[タカダキヨシ]
1950年生。1979年東京大学理学系大学院科学史・科学基礎論専門課程博士課程単位取得満期退学。現在、宮城学院女子大学教授
佐野正博[サノマサヒロ]
1954年生。1983年東京大学理学系大学院科学史・科学基礎論専門課程博士課程単位取得満期退学。現在、明治大学経営学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
34
22
科学哲学の教科書的な入門書。いくつかのトピックに興味があってそれほど期待せずに読みはじめたのだが、各章の構成が優れているおかげで教科書的な本にしては楽しく読めた。章ごとに科学論の代表的な立場が論じられていて、前半ではそれぞれの立場のメリットが(著者の立場と相容れないものであっても)比較的説得的に論じられている。それが後半になると打って変わってその問題点が指摘され、そして次の章でその困難を解決する立場が示されるといった感じ。巻末の文献案内も、訳者が日本語で読める文献を中心に編み直していてかなりの充実度。2017/05/29
無重力蜜柑
9
科学哲学の包括的な入門書。とても良かった。経験、観察、実験、帰納といった科学論の基本テーマに始まり、反証主義、パラダイム論、ラカトシュの研究プログラム、ダダイズムという一連の流れを押さえ、さらにベイズ主義やハッキングの「新しい実験主義」、真理論や存在論まで概説する。どんな主義思想も基本的にニュートラルに紹介し、その歴史的な位置付けや意義と共に限界、反論までしっかり書いてくれるので大変親切。科学史上の具体例は豊富だが専門的な知識が無くても読める水準だし、哲学系の入門書にありがちな哲学用語の連発もなかった。2020/11/19
ほじゅどー
6
★★★科学知識は事実から導き出されるものと思っている人には驚きの内容。帰納主義。演繹的推論。反証主義。そしてベイズ主義。。。科学哲学の教科書としてはやさしく書かれてはいるのだろうが、池谷本のようにはいかなかった。2013/08/08
takao
4
反証主義の限界、ベイズアプローチなどじっくり読むべき本。 原著:What is this thing called Science?, Third edtion, 19992020/03/04
ハンギ
4
シドニー在住の科学哲学者、チャルマーズの本(チャーマーズとは別人らしい)。ポパー、クーン、ラカトシュ、ハッキング、ベイズなどの本が参照され、著者の意見が加わる形の本。著者は誰の意見とも距離を保ち、あくまでも中庸の科学論を論じているように思う。創造科学のような分野も強く意識されている印象だった。本書は英語版の第3版を元に翻訳されているが、校訂中に第4版が出版され、原子論の話が加わったそうだ。原子論はあまり日本人ではやっている人が少ないので見てみたかった気がする。原書にトライしたい。2014/01/24