内容説明
本書に纏められた著者のヴェーバー研究は、ヴェーバーの認識批判の仕事の意味を解明する作業から出発している。ヴェーバーの認識批判論が社会学的行為論の基礎論としての意味を持つこと、またこの基礎論を踏まえて構想されたのが「合理主義の類型論」であることに注目し、これらの論点を積極的に論じた。
目次
第1部 マックス・ヴェーバーと「文化問題」(「文化」をめぐる科学と政治―ヴェーバーの中心的な問題関心;「ヴェーバーの合理性」としての批判―理念と事実のパラドックス;ヴェーバーの認識批判―「解明的理解」と「因果的説明」)
第2部 マックス・ヴェーバーの形而上学的・哲学的想定(「生の力」と「生の形式」―マックス・ヴェーバー社会学の哲学的背景;「生活態度」の社会学的基礎理論―「近代西欧文化世界の子」ヴェーバーの自己批判とその意義)
第3部 マックス・ヴェーバーの社会学と「文化の普遍史」(ヴェーバー合理化論の再構成―ドイツにおける最近のヴェーバー解釈をめぐって;「合理化」と「合理性」―ヴェーバーにおける「合理化問題」によせて;近代文化人の「悲劇」史論―ヴェーバーと20世紀社会学)
著者等紹介
嘉目克彦[ヨシメカツヒコ]
1948年生まれ。’78年九州大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、大分大学経済学部教授、文学博士。著書に「マックス・ウェーバーの批判理論」(’94年)「人間ウェーバー」(共著、’95年)「理論社会学の現在」(共編著、2000年)その他
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