哲学と現実世界―カール・ポパー入門

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  • サイズ B6判/ページ数 166p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784769909330
  • NDC分類 133.5
  • Cコード C1010

内容説明

本書は、カール・ポパーの思想について、初学者をも念頭に入れて、その社会哲学と科学哲学の全体像をわかりやすく、丁寧にしかも魅力的に語っている。

目次

第1章 序
第2章 科学的方法―伝統的な見解とポパーの見解
第3章 科学と非科学との間の境界設定規準
第4章 ポパーの進化論と世界3理論
第5章 客観的知識
第6章 開かれた社会
第7章 開かれた社会の敵

著者等紹介

マギー,ブライアン[Magee,Bryan]
さて、ブライアン・マギーについては、翻訳出版されている『知の歴史(The Story of Philosophy)』BL出版の著者としてご存じの方もおられるであろう。原著の解説に沿って紹介すると、マギー(1930年、ロンドン生まれ)は、クライスツ・ホスピタルを卒業し、(海外での兵役後)オックスフォード大学、ケブル・カレッジで教育を受け、そこで2つの優等学士号―1つは現代史、もう1つは哲学、政治学、経済学―を取得し、また組合の議長も務めた。スウェーデンで1年間教鞭を取り、エール大学で哲学のフェローシップを取った後、1956年、彼は作家、批評家、ブロードキャスターになるため、学究生活を離れた。彼はしばしばラジオ、テレビに出演し、また批評家サークルの音楽部門、演劇部門の会員である。1970年オックスフォード大学、バリオル・カレッジで哲学担当の講師となり、学究的活動を再開してからも、引き続きこの方面の活動をおこなっている。1973年、オール・ソウルズの客員特別会員に選出された。1974年から1983年まで、国会議員も務めた。彼の15冊の著書は、各国語に翻訳されており、それには以下の著書がふくまれている。『若者よ西へ行け(Go West,Young Man)』(1958年)、『新急進主義(The New Radicalism)』(1962年)、『民主主義革命(The Democratic Revolution)』(1964年)、『二千年に向けて(Towards 2000)』(1965年)、『ワン・イン・トゥエンティ(One in Twenty)』(1966年)、『ワーグナーの諸相(Aspects of Wagner)』(1968年)、『現代イギリス哲学(Modern British Philosophy)』(1971年)、『着想の豊かな人びと(Men of Ideas)』(1978年)、『ショーペンハウエルの哲学(The Philosophy of Schopenhauer)』(1983年)、『偉大な哲学者たち(The Great Philosophers)』(1987年)

立花希一[タチバナキイチ]
1952年東京都に生まれる。’84年筑波大学大学院博士課程哲学・思想研究科哲学専攻単位取得満期退学。現在、秋田大学教育文化部教授、欧米文化講座(現代思想論)。分担執筆に「科学とは何だろうか」「哲学思索と現実の世界」「批判と挑戦」ほか
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

田氏

7
帰納の不確実性から、「反証可能性」を科学と非科学との境界設定基準と置くところから始まる、カール・ポパー哲学の手ほどき。理想とする青写真(仮説)を観察や実験により実現(実証)する旧来の手法に対し、問題の発生を起点として解決のための新理論を提示し、テストによる反証を試み、新たに生じた問題を解決する新理論を提示するという進化論的フィードバック手法を提唱した。そして自然科学から社会論へと敷衍して論理を展開していく。この本は発行から45年、ポパーの理論自身も反証のテストを受け続けており、追ってみる必要がありそうだ。2018/08/30

うえ

6
「ノイラートはポパーを「公認の反対者」と名づけた。こうしたことからポパーは変人にかまうなと仲間はずれの扱いを受けた」「西洋人は幾世代にもわたって、ニュートン物理学が決定的な修正の余地のない事実だと教え込まれてきた。しかし結局は、今世紀初頭にニュートン理論とは異なる理論がアインシュタインによって提出された…ニュートン理論の正しさは…まったくの誤りであった。だが、文明時代全体がニュートン物理学に基づいて空前の物質的成功をおさめた…ポパーは、理論の真理性を証明できるものは何もないということをはっきり理解した」2015/08/13

bass

2
単純に楽しめた。非常にわかりやすい。「世界3」の考え方、プラトン批判の肝など、こちらが食わず嫌いだったことを後悔するほど、ポパーの主要論点を啓蒙してくれる。なのに忘れた頃、やたら長くて咀嚼しづらい訳文が現れるのが残念。新訳で電子書籍化を希望。2016/09/16

takashit

0
非決定論者というポパーの立ち位置。想像力、選択、幸運などの要素が絡んだ誤謬と不確実性について。2009/09/21

積読派

0
これまで読んできた哲学者の文献の中で、時々目にしたポパーの名前。彼の科学的方法論から感じられる知的廉直さに衝撃を受けた。私も解放された気がする。 積読派が久しぶりに最後まで読めた、名著。2018/03/02

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