内容説明
遺伝子型と表現型との対応を明らかにするには、形質を支配する遺伝子から表現型に至る形質発現機構の知見が重要であり、水産生物の遺伝・育種学的観点から、形態、生理、生態分野での形質発現に関する情報と問題点を整理することは、水産生物の遺伝学的研究の今後の一層の進展と、新品種作出や品種改良などの育種の発展にとって極めて重要と考えられる。本書は、1998年4月5日「水産生物の形質発現と形質評価(水産育種における形質発現機構と遺伝学的解析の重要性)」と題して東京水産大学で開催されたシンポジウムの内容を、当日の講演に質疑応答の趣旨を考慮して編集したものである。
目次
1 形質発現機構に関する研究の現状と問題点(初期胚の形態形成;初期胚の細胞質の機能;形態形質)
2 生理形質の発現に関する研究の現状と問題点(生殖関連形質の発現;免疫機構;耐病性;水温適応性;成長関連形質)
3 生態形質の発現に関する遺伝学的背景と問題点(繁殖行動;摂餌縄ばりにかかわる形質)



