感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
出来事は日付を含む一回のみの生起(「今、庭に雨が降っている」なる単称言明)であり、事象は日付を持つ特定の時空に含まれない(「雨が降る」なる純粋存在言明)。著者は科学と自称する実証主義の依拠する経験概念を分析する。彼らの言うように観察の客観性の保証によって成り立つ科学は、純粋存在言明を扱う領域のはずだ。だが、観察の客観性を保証するため単称言明を心理主義の検証を普遍性に近づける帰納手続きで客観を装うだけだ。反証主義は実証主義が科学を普遍と見なす点を批判し、科学は仮説であり、反証可能である必要があると主張する。2017/02/22
inu
2
なにかと気軽にディスられがちなポパー先生だが、驚いたことによくある批判や誤解にはすでに本書に答えが書いてある。反証逃れのことや反証主義は方法論的提案であること、意味の理論ではないこと、純粋な観察など存在しないこと等々。2022/02/22
ちゅん
1
感想は後ほど。2018/08/22
朝ですよね
0
出版当時の科学哲学界においては帰納法により真理が導出されるといったような考え方があり、ポパーはこれを経験から普遍を導く形而上と形而下を混同するようなものと捉えていたようだ。高い反証可能性ゆえに裏返せば験証に耐えることで多くの経験を主張する言明、これを絶えず高めるのが科学。2022/03/18