内容説明
「P3Cのことは墓場まで持っていく」オヤジは言った。事件の核心には、キッシンジャーと「灰色高官」の暗躍があった。「側近中の側近」が今こそ問う、角栄の無実。
目次
第1章 オヤジの側近として事件の渦中に
第2章 ロッキード裁判は間違っていた
第3章 真相を求め米国へ
第4章 米国の「陰謀」―その構図
第5章 何がオヤジを「闇将軍」にしたか
第6章 苦悩のゴルフとオールドパー
第7章 オヤジが枕元に置いた小冊子
文庫特別収録 オヤジの無念を晴らす司法改革
著者等紹介
石井一[イシイハジメ]
元自治大臣。昭和9(1934)年、神戸市須磨区生まれ。甲南大学卒業、米スタンフォード大学大学院修了。国際公務員を経て44年、35歳で衆議院初当選。田中角栄元内閣総理大臣の側近の一人として「田中軍団の青年将校」と呼ばれる。衆議院議員11期、参議院議員1期。この間、ダッカハイジャック事件政府派遣団長、国務大臣・国土庁長官、自治大臣兼国家公安委員長を歴任。旭日大綬章受章。現在、一般社団法人日本ジャズ音楽協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nishiyan
13
田中角栄元首相の側近としてロッキード事件裁判に深い関心を持ち、実際に調査にまで赴いていた石井一元自治相によるロッキード事件冤罪論。中曾根康弘元首相が亡くなったことで文庫化にあたり「文庫化によせて」として中曾根元首相の問題を厳しく指摘しているのは興味深い。軍用機P3C採用問題から端を発してトライスターへとすり替えられていったという主張は面白い。また在りし日の田中元首相との思い出話も読みごたえがあり、田中派のゴルフコンペのスコアが載っており、その顔ぶれが何とも懐かしかった。2020/02/14
もちもち
4
当時の取り調べは今とは比べ物にならないくらい過酷だったんだな それにしても不自然な出来事が多すぎるのでやっぱり冤罪なのかな アメリカからの情報公開がいつになるのかが気になる(もう50年たってるし公開されているのかな?)2021/07/21
Eiki Natori
4
ロッキード事件で失脚し、逮捕起訴されたオヤジ(田中角栄)の無実を信じ、側近石井一が調査した内容を公開した本。石井一とは、強面でそっち系のイメージだったが、実はエリートであり、知性派だ。先日亡くなった中曽根が評価されることに違和感を覚えたという石井。本丸はP3Cであり、中曽根児玉の問題であり、角栄はキッシンジャーに睨まれて冤罪にされた。クリーン三木も、角栄とは犬猿の仲であり、選挙でも嫌がらせを受けた遺恨もありキッシンジャーに協力したのではという説。公文書解禁まであと数年。恐らく石井説が正しいのだろう。2020/03/07
mat2
3
独自の資源外交でアメリカを怒らせてしまい、アメリカが仕立てたロッキード事件で失脚させられた、くらいの知識しかなかったのですが、一番酷いのは日本の裁判所・検察だったのですね・・起訴後有罪率99.9%なんて考えてみると確かに変だ。検察が優秀なのではなくて強引なだけ、裁判所は検察が架空で作文したストーリーを盲目的に信用するだけ、というカラクリなのか。将来的にロッキード事件に関連するアメリカの公文書が公開されて真相が明らかになる前に、裁判所は自らの非を先に認めた方がよいと思う。バレてからだとバッシングされますよ。2022/04/18
Isamash
3
元自治大臣の石井一によるロッキード事件は冤罪とする著作。角栄は無罪で謀略に嵌められた説はネットに氾濫する陰謀論の類と思っていた。しかしキッシンジャー主導でCIAが仕掛けた事件との主張に一定の説得力を感じた。当時は特捜部凄いと思っていた訳だが、村木厚子に小沢一郎、更に佐藤栄佐久、佐藤優、江副浩正、堀江貴文、カルロスゴーンと並べてみると皆超有能で、特捜部は日本の真の国益には反する捜査をしている様にも見える。どの事件もマスコミと結託しての違法な印象操作も凄まじい。特捜部とは古来CIAの下部組織ということなのか?2021/08/23
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