出版社内容情報
水中戦史の戦いは、米護衛艦艇の爆雷攻撃だけではなかった! 艦内に充満する炭酸ガス、圧潰の恐怖。奇跡の生還を果たした青年潜水艦長の海底戦記。 幾度か圧潰を覚悟しつつも、そのつどに奇蹟の浮上を遂げ、死なざること不死鳥のごとく破竹の快進撃をつづけ、苦境の中にあっても冷静にして沈着、ゆうゆう活路を開いて脱出する青年士官――戦場においては果敢に作戦任務を遂行し、遂に不沈の潜水艦長となった〝キャプテンイタクラ〟が描いた海底戦記の決定版。付・日本海軍の潜水艦小史/福井静夫、解説/吉野泰貴。
内容説明
幾度か圧潰を覚悟しつつも、そのつどに奇蹟の浮上を遂げ、死なざること不死鳥のごとく破竹の快進撃をつづけ、冷静にして沈着、ゆうゆう活路を開いて脱出する青年士官。戦場においては果敢に作戦任務を遂行し、遂に不沈の潜水艦長となった“キャプテン・イタクラ”が描いた海底戦記の決定版。
目次
第一章 伊号潜水艦、ハワイへ
第二章 ミッドウェーでの死闘
第三章 決死補給作戦の日日
第四章 ふたたび戦場へゆく
第五章 “霧の魔海”に屈せず
第六章 北の海に消えしもの
第七章 南海の苦闘の末に
付 日本海軍の潜水艦小史〈福井静夫〉
著者等紹介
板倉光馬[イタクラミツマ]
大正元年11月、小倉市に生まる。昭和8年11月、海軍兵学校卒業(61期生)。戦後、海幕技術部、三菱重工神戸造船所等に勤務。平成17年10月歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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植田 和昭
9
ある潜水艦長の手記。真珠湾攻撃以来何度も死地を潜り抜け生き残った顛末を描いている。実際に敵船を撃沈した場面の敵の該当記録がないので幻の戦果となっている。またブーゲンビル島のブインに3回も決死の輸送を行っている。回天戦の参謀長になったところで終わっているが、その後のことは続ああ伊号潜水艦で出てくるのかな。大戦の参加者のほとんどが鬼籍に入られた今、とても貴重な資料だ。苦しい潜水艦乗りの戦いが鮮明に語られている。写真が不鮮明なのが残念。ハードカバー版だが見当たらなかったのでこの版で登録。2025/11/07
ことぶき あきら
3
伊号とは、旧日本海軍の潜水艦の類別であり、水上排水量一千トン以上の大型潜水艦を指しているが、その伊号第176潜水艦長、伊号第2潜水艦長、伊号41潜水艦長を歴任した坂倉光馬氏(終戦時少佐)が自身の経験を書いたノンフィクション戦記。大型水上艦は戦艦「大和」など固有の艦名が付けられていたが、潜水艦は伊号第〇〇潜水艦と番号で名付けられていた。南洋諸島へのモグラ輸送や、キスカ島撤退作戦など、太平洋戦争の有名な作戦に参加しており、興味深く面白い内容だった。但し読書にあたっては太平洋戦争、軍隊についての基礎知識が必要か2025/10/21
Yasuhisa Ogura
1
著者は、第2次大戦中、何隻もの潜水艦の艦長を務め、ハワイ、ミッドウェー、アッツ、キスカ、ブイン、グアムなど最前線で戦い抜いた歴戦の勇士。とはいっても、さまざまな失敗もありのままに記している。少尉候補生時代、艦長を殴った話、幌筵で酔っ払って海に落ちた話など。とにかく文章が上手い。伝説もたくさん描いている。後に殴った艦長を救援にブインに向かう話や、レーダー優勢の時代、夜間は潜航、昼間は浮上した話など。誰が最後まで生き残れるかは、神のみぞ知るということなのであろう。2025/09/05




