内容説明
夜間航空戦に関して有効な策を何も打てなかった航空本部、軍令部など上層部の無力を感じながらも、日本の夜間戦闘機を夜間戦闘機たらしめていた唯一の兵装、機銃を胴体に上向きに取り付けた斜め銃を頼りに夜の大攻勢に立ち向かった夜間戦闘機隊。昭和十八年の初戦果から日本本土防空まで、その激闘の記録を追う。
目次
6 夜戦隊、フィリピンへ(集まる隊員;P‐38に襲われる;「月光」体当たり ほか)
7 高空の超重爆を撃て!(やってきた搭乗員たち;夜戦兵器のハード面;偵察機、侵入 ほか)
8 夜間大空襲と沖縄決戦(焼夷弾が降る;夜戦隊の勝利;硫黄島からの強敵 ほか)
著者等紹介
渡辺洋二[ワタナベヨウジ]
昭和25年(1950年)、名古屋に生まれる。立教大学文学部卒業後、航空雑誌の編集勤務。53年、第2次大戦の軍航空に関する執筆に専念。平成22年(2010年)、職業としての軍航空の著述を終了。以後、余暇を航空史研究にあてる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
10
前巻のマリアナ失陥から比島、沖縄、そして本土防空戦という絶望的な敗勢の中での月光と零戦等の使用機材を増やした夜間戦闘機各部隊の奮戦を描く。各戦場で命を賭して戦った多くの搭乗員達にとって金字塔の様な記録だと思う。戦いの経過から見えるのはやはり組織として絶望的に戦争が下手な日本海軍の姿であり、それは最終的には情報軽視、硬直的で不合理な意思決定とその是正の困難さという日本型組織運用の宿痾に帰結すると思う。米海軍はその裏をかけばよかったのだからつくづくちょろいものだったろうと。夜間戦闘機の成功も小園中佐を始めとす2024/12/28
ミリオター
1
開発された夜戦が本領発揮する本土防空戦から沖縄決戦までを扱う。月光の生産が終了し本機の調達に苦労する部隊の話を見ると、後継機の有用性に疑問が持たれる中生産終了を決断した事の理解に苦しむ。 圧倒的な性能差の中奮戦した月光部隊に畏敬の念を抱く一冊。2024/11/20




