内容説明
フィリピン―10万人の虜囚体験。「生キテ虜囚ノ辱シメヲ受ケズ」との戦陣訓に縛られた日本軍将兵は、戦い敗れた後、復員の日まで、望郷の思いの中にいていかなる日々を過ごしたのか。
目次
第1部 収容所への道(陸軍航空の一大転機;航空情報網を確立せよ;第四航空軍司令官脱出す;部隊長の八月十五日)
第2部 虜囚の日々(敗者の宿命に耐えつつ;戦陣訓がうんだ同胞相剋;戦犯容疑者たちの憂鬱;PW悲喜こもごもの歳月;望郷と焦燥の時をへて)
第3部 マニラ燃ゆ(渦まく陸軍と海軍の思惑;戦局を左右したゲリラ;成算のない空しき奔走;瓦礫と化した美しき街)
著者等紹介
山中明[ヤマナカアキラ]
大正5年、広島市生まれ。昭和11年4月、陸士入校(52期/航空)。卒業後、航空通信乙種学生をへて2航空情報隊付、航空通信学校教官、12航空教育隊中隊長、1航空情報連隊中隊長を歴任。17年11月末、4航空情報隊中隊長。18年9月より翌年9月まで4航軍勤務。19年9月、2航空通信団部員。同10月、10航空情報連隊付高級将校。20年1月、中北部ルソン航空情報隊長。同3月、台湾移動を命じられ5月末までツゲガラオ、アバリに待機。同6月、在アバリ地区航空部隊残留者を統合、部隊長となる。終戦時陸軍少佐。21年6月、復員。戦後は商社員としてマニラに駐在し、55年まで貿易に従事。その後も日比親善につとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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baron_yamaneko
2
捕虜管理要員の回想と早とちりして買ったが、終戦後に捕虜収容所で牢名主をした少佐(陸士52)の話。前半は普通の戦記で、第4航空情報隊・第2航空通信団・第10航空情報連隊等と転属してニューギニアからルソンに転戦しつつ早期警戒網を構築しようとするもウェワクやマニラの奇襲を防げず、四航軍のエチアゲ転進で北上して最後はアパリ地区航空部隊の陸戦指揮官。戦史叢書で調べて書いたことが多い印象も、ツゲガラオからの救出便の搭乗割り当てのぎくしゃくや末期アパリ地区の様子などは具体性があってよい。2022/02/08
おい
1
筆者の戦中および収容所の生活を記したもの。勇ましい戦闘シーンなどが書かれている訳ではないが、普通のある士官がどのように戦争に関わったか触れられ興味深い。 ★★★2021/12/08
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