内容説明
阿鼻叫喚の瘴癘の地に転進をかさね、精根つき果てるまで攻防戦をくりひろげた奇蹟の戦士たち。地獄の戦場最前線!
目次
通信隊長のニューギニア戦線(土井正祐)
飢餓群島に生きる(梅岡大祐)
生還なき転進(蓬生孝)
若き獅子たちの絶叫(横林弥門)
特命第一遊撃隊出陣始末(宇多田正純)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つわぶき
3
ニューギニア戦線をそれぞれの立場で戦った5名の手記(各記事は雑誌『丸』に掲載されていたもの。)。共通して目立つのは、制空権・制海権を共に失い、全く補給を絶たれた陸上部隊の苦境である。制空権及び制海権を失った離島は本国からの補給を受けられず、それがために一挙に継戦能力を失う、まさに島嶼戦における兵站のシビアさがここに顕れているといった感じである。また、戦闘の描写が少なく、糧食の獲得や疫病に苦心した描写が多いのは、米軍の飛び石作戦によって戦いから隔絶されたことが大きい様に思う。(続く)2022/11/22