内容説明
米軍兵士の目線で描く、丘を血に染めた日本兵との凄絶な7日間の死闘。太平洋戦争を通じてもっとも血みどろの戦いが行なわれた沖縄。スピルバーグ監督も『ザ・パシフィック』で映像化した太平洋最後の戦場。
目次
沖縄戦
海兵隊、南へ
G中隊、シュガーローフへ
攻撃続行
夜間攻撃
逆襲
最前線
惨敗
E中隊の試練の日
シュガーローフ陥る
第四海兵連隊の投入
苦い勝利
忘れ去られた兵士たち
著者等紹介
ハラス,ジェームス・H.[ハラス,ジェームスH.] [Hallas,James H.]
コネチカット州グラストンバリーの新聞、Glastonbury Citizen紙の編集者。“American History Illustrated”および、“Yankee Magazine”誌に記事を執筆しており、“Suquandered Victory:American First Army at St.Mihel”(Praeger社、1995年)の著者でもある
猿渡青児[サワタリセイジ]
1965年生まれ、熊本県出身。都内のエンジニアリング系の会社に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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駄目男
17
昔、『地獄の戦線」という映画があったが、あれはどこの戦いだったか。第二次世界大戦の三大決戦といえば、「スターリングラードの戦い」「エラメインの戦い」そして「硫黄島の戦い」だが、この恐ろしく凄惨な血で血お洗う「沖縄 シュガーローフの戦い」あまり知られていない。アメリカでも沖縄戦が済んだあとに所属部隊が直ぐ解散したため、その後、あまり語られることもなく知る人も少ないという。ましてや日本人にはまったく知られていないだろう。大戦中、徴兵された兵士たちは戦争を語ることを嫌った人もいる。私の世代では、2024/07/06
鐵太郎
14
1945年5月12日から18日までの一週間、沖縄南部の首里の西数キロ、現在の那覇市おもろまち一丁目で、アメリカ第6海兵師団と日本陸軍独立混成第44旅団が激動を繰り広げました。この本は、その戦いをアメリカ側から描いた戦記。比較的小さい三つの丘を巡り、頑強に陣地を守り、取られても取られても執拗に反撃し奪還する日本軍に手こずり、すさまじい犠牲を払って戦い抜いた米軍兵士の苦闘が描き出されます。 ──とはいえ日本人としてこの本を読んでいる以上、米軍に対する思い入れはあまり感じられませんでした。しゃあないよね。2021/02/26
もちもち
3
さっきまで隣で戦っていた兵士があまりにもあっさりと死んでいく現実。 将校であっても安全ではなく、むしろ一般兵より戦死率が高い。 日本兵だってほとんど生存者がいないほど死にものぐるいで戦っているのに、沖縄は見捨てられたと言い張る左派メディアはあまりにも酷くないか?2021/04/21
オールド・ボリシェビク
1
沖縄地上戦において、守備隊が米海兵隊相手にこれだけの善戦をしていたことに驚いた。しかし、死んでいく。若者が次々と死んでいく。比喩ではない地獄が現出している。凄まじいルポだ。2020/07/13
kamakura
0
米軍の記録は、敵軍がいかに頑強であったかを描く。その事によって自らの部隊の勝利をきわだたせる。大岡昇平が『レイテ戦記』で書いていたこの事を念頭に置くようにしている。 それを差し引いても、シュガーローフの日本軍の、捨て身だが合理的な戦闘ぶりは賞賛されるべきものか。但しその敢闘は、米軍司令官の硬直した肉弾戦法によっていた面もある。どの軍でも、司令官が自分の美学に拘っていると、兵は取り返しのつかない犠牲になる。シュガーローフとその周辺には現在カトリック教会1、神社1、仏教寺院2があるのは偶然ではない。2020/12/03