内容説明
傷痍未だ癒えず―生き残ったからこそ言い遺しておかねばならないことがある。人間とは何なのか。人間がこんなにも変わり果てることを。日本人の戦争体験は正確に語り継がれているのか?戦場と銃後の区別すら無意味な殺戮戦の渦中で、死に直面してむき出しとなった「人間の本質」を伝える、日本人の戦争の記憶。
目次
第1章 開戦前夜
第2章 ああ堂々の輸送船
第3章 キセキレイを食わなかった兵隊
第4章 軍律きびしき中なれど
第5章 戦場の慰安婦
第6章 日本の原爆と米模擬原爆
第7章 戦い敗れて
著者等紹介
土井全二郎[ドイゼンジロウ]
1935年生まれ。佐賀県出身。京都大学経済学部卒。日本海洋調査会代表。元朝日新聞編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
26
輸送船、慰安所、敵との交流、原爆開発など。資料の少ないところを特にキャッチアップして、証言をまとめている。輸送船の被害からわかるように補給軽視な海軍はどうしようもない。2019/12/31
犬養三千代
8
あまりの悲惨さに胸が痛む。極限になると人は人を喰らうのだ。生き残った兵士への聞き取りだ。元兵士の写真もある。うーん!2022/11/07
おい
3
旧日本軍の抱えていた制度的、組織的、社会的な問題から、ステレオタイプでない人と人との関わりなど、様々な生きた事例が紹介され、非常に参考となった。 ★★★★2021/08/28