内容説明
ドイツ降伏までにドイツ国内に来襲した英米の戦略爆撃機は五三万機を超えた。これらの爆撃機は、合計一六四万トンを超える爆弾や焼夷弾をドイツのあらゆる都市や軍施設、軍需工場などに投下した。そして投下された爆弾や焼夷弾の量は、平均するとドイツの一平方キロメートル当たり四・六トンに相当するのである。対日戦とは異なる連合軍のドイツ戦略爆撃の実態を、ハンブルグ、ドレスデンなど甚大な被害をうけたドイツ側からも対照する話題作。
目次
第1章 第二次世界大戦前夜
第2章 戦争勃発とイギリス空軍爆撃航空団
第3章 ドイツ本土爆撃
第4章 アメリカ陸軍航空隊爆撃航空団の参戦
第5章 イギリス空軍爆撃航空団のドイツ都市無差別爆撃
第6章 アメリカ爆撃航空団の激闘
第7章 ドイツ防空戦闘機隊の反撃
第8章 特殊爆撃行
第9章 ドイツ本土爆撃の再て
第10章 英米爆撃航空団のその後
著者等紹介
大内建二[オオウチケンジ]
昭和14年、東京に生まれる。37年、立教大学理学部卒業後、小野田セメント株式会社(後の太平洋セメント株式会社)入社。中央研究所、開発部、札幌支店長、建材事業部長を歴任。平成11年、定年退職。現在、船舶・航空専門誌などで執筆。「もう一つのタイタニック」で第4回海洋文学大賞入賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
24
アメリカの戦略爆撃により焦土と化した日本ですが、ドイツには英米の爆撃によりその10倍以上の爆弾が落とされ、人間が生活しうるすべての場所が破壊し尽くされたのだという。この本は、今の視点で見て、あの時代に何があったのか、イギリスと、ドイツと、アメリカは、何を考えてどのように行動してこの結果を招いたのかを、客観的に冷静に、時にウェットに描いています。こういうものを書かせると、大内さんはすごいね。2019/05/24
もっぱら有隣堂と啓文堂
4
イギリス爆撃航空団とアメリカ第8航空軍によるドイツ本土爆撃の概括書。英米独の主な機体は三面図と主要諸元付き。図表と写真も多くて理解を助けてくれる。日本もB29による爆撃を受けたが、ドイツに対する爆撃の規模は日本に対するそれと比べると出撃機数は約53万機と20倍以上、爆弾投下量は約165万トンと10倍以上、推定犠牲者数は約70万人と3倍弱。ただ未帰還機は約10600機と47倍以上、搭乗員の損失は4万人以上でありその戦いは悲壮だった。同文庫の「爆撃機入門」と読むと理解が深まるのでは。爆撃機好きにおすすめ2021/11/05