内容説明
戦艦「大和」のローラー・パスの直径は一二・三メートル、バーベット直径は一四・七メートル、砲室前盾の厚さは六五〇ミリ、側面が二五〇ミリ、後盾が一九〇ミリ、天蓋は二七〇ミリの厚みがあり、その重量だけで七九〇トンあったとされる。この結果、旋回部重量が約二五〇〇トンと駆逐艦一隻分ほどの重量となった。
目次
序章 砲塔の構造
第1章 原初の砲塔
第2章 囲砲塔
第3章 イギリス海軍の砲塔
第4章 ドイツ海軍の砲塔
第5章 アメリカ海軍の砲塔
第6章 その他各国海軍の砲塔
第7章 第一次世界大戦
第8章 軍縮条約後の砲塔
著者等紹介
新見志郎[ニイミシロウ]
1953年東京生まれ、成蹊大学中退。若年の頃から船舶に興味を持ち、特に19世紀後半の黎明期蒸気船を中心に調査、研究を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
15
砲塔というあまり注目されなかったものをターゲットに、その給弾システムを中心に歴史を追います。南北戦争時代の「モニター」から始まって、高角砲じゃあるまいしという驚異の毎分10発という発射速度を誇った米海軍の「デ・モイン」まで。なるほど、みんな少しずつ少しずつ進歩していたんだね。それと、歴史上の砲撃戦の描写もちょっと。面白い。こういう本は珍しいな。2018/12/06
niz001
4
確かに『砲』については多いけど『砲塔』メインは初めて見る。2018/10/28
剛田剛
1
ある意味軍艦を軍艦たらしめるシンボルみたいな存在である砲塔であるが、内部のメカニズムの設計は面倒のひと言である。重量はなるべく軽く、装甲は厚く、装弾もスムーズに、照準はつけやすく、誘爆しづらいように…。現代の軍艦はもっぱら「電子機器とミサイル(もしくは航空機)を輸送するフネ」になりつつあり、戦艦はとっくに過去の艦種になったが、この砲塔の取り扱いづらさもその一因ではあったのだろうな。2020/01/12
unflyable
0
各国軍艦の砲塔用の揚弾と装填に関する機構を時系列的にならべた本。内部構造をおおまかに書いた本は類書が少ないので良かったが、どこまでが出典に基づいたものかそれとも考察なのか判別し辛いのは参った。1章後半の小説は、ひたすらカタログスペックを羅列するだけで没入感をもてなかった。2020/01/22