内容説明
満州国崩壊―そのとき、日本人は何を考え、どう生きたのか。日本人が入植して造りあげた町・安東。ソ連軍進攻にともなって地獄図絵と化した国境の町でくりひろげられた敗戦国民・日本人の長く苦しい暑い夏。官僚でもなく、軍人でもなく、財閥とも無縁な市井の人々の苦闘の時代を描く感動のノンフィクション。
目次
第1部(ソ連参戦;満州国消滅;日本人会;女特攻隊;新京 ほか)
第2部(三股流事件;旧日本兵;赤カブ;二番通り事件;幼稚園閉鎖 ほか)
著者等紹介
岡田和裕[オカダカズヒロ]
1937年、満州国安東市(現・中国遼寧省丹東市)生まれ。作家。新聞記者、雑誌編集者をへて文筆活動に入る。専門は近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shinya Fukuda
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満洲といえば石原莞爾や岸信介、或いは甘粕正彦を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、この本は一般人を主人公にして書いてある。だから一般人が8月15日以後帰還するまでどれだけ苦労したかが書かれてある。この事実は日本人として知っておくべきだと思う。それにしても悪辣なのはソ連だ。その後、国民政府が幅を利かし、八路軍がそれにとって変わるが、どちらも大差ない。八路軍に対する幻想はやめた方が良い。それがリアリズムだ。いい本なのだが、誤字が多い。それが残念。中共軍を中京軍、銃を発砲を銃を発泡、ビールじゃないんだから。 2019/10/26