内容説明
平成6年の現代から昭和17年の戦時下にタイムスリップした海上自衛隊の潜水艦「あらしお」は、聯合艦隊直率艦となり、ミッドウェー海戦に参加する―現代の潜水艦に乗り組んだ海軍下士官とともに乗員たちはいかに米機動部隊と戦うのか。現実の制約と空想のダイナミズムにより導き出されるミッドウェー海戦の真実。
著者等紹介
中村秀樹[ナカムラヒデキ]
昭和25年生まれ、福岡県出身、防衛大学校18期。潜水艦艦長のほか、海上幕僚監部技術部、護衛艦隊運用幕僚、情報本部分析部、幹部学校教官、防衛研究所戦史部等勤務。平成17年退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kai
13
もしもミッドウェイ海戦に自衛隊の通常型潜水艦が参加していたらというパラレルワールド的シュミレーション小説だが、作者が自衛隊の潜水艦長や幹部をを歴任しているので、当時の日米軍の軍事力や兵士の戦闘能力とほぼ現代の自衛隊潜水艦の性能等を冷静に分析している所が面白い。またミッドウェイ海戦の詳細と、自衛隊潜水艦の圧倒的な能力を垣間見る事ができた。そこに旧海軍の魚雷や電探の下士官を自衛隊潜水艦に乗艦させ、海軍下士官と自衛隊員の一体感を演出するシーンが随所に出てくるというおまけ付きの好作品だった。2017/01/30
鐵太郎
8
自衛官として潜水艦艦長を務め、海上幕僚監部技術部、幹部学校教官などを経て平成17年退艦した著者が、平成6年に現役で最前線にあった海自のディーゼル潜水艦が昭和17年にタイムスリップしたらどう戦えたか、というシミュレーションを行ったもの。感情的、政治的、文化的なギャップを無視して日本海軍のためにアメリカと戦う「あらしお」という図式はいささか無理があるが、ばったばったと米空母を撃沈する様子や実物を見てきた緻密な描写は面白い。変な感情論がない分だけよかったのか、とも思うけど、まァ昔の仮想戦記ですよね。2016/08/28
Tomotaka Nakamura
1
トンデモ戦記としてはしっかり考証してあるうちに入るかな?たまにはこういうのも漫画感覚で面白い。2016/11/28
がたぴん
0
原潜を題材にしたとある漫画で潜水艦の戦闘に触れたことがあったから、イメージしながら読めた。そのためか、大変失礼ながら期待薄で手に取った本だが、ものすごく面白く読ませていただいた。2020/01/27