内容説明
昭和十八年九月、海軍兵学校卒業と同時に竣工直前の最新鋭軽巡「矢矧」に乗艦、太平洋戦争後半の三大海戦に参加し連合艦隊の最期を目撃した池田武邦。戦後、霞が関ビルなどの超高層ビルやハウステンボスの設計に活躍した半生を振り返り、「矢矧」沈没後の人生は余生―という建築家が封印を解いて語った戦争の記憶。
目次
第1章 江田島精神(いごっそうの血;父、池田武義 ほか)
第2章 マリアナ沖海戦(極秘扱いの艦;吉村艦長 ほか)
第3章 レイテ沖海戦(史上最大の海戦;決戦前の百日訓練 ほか)
第4章 沖縄海上特攻(満身創痍;「金剛」の最期 ほか)
終章 魂は死なず(廃墟の東京;特攻隊教官 ほか)
著者等紹介
井川聡[イカワサトシ]
1959年生まれ。1983年、西南学院大卒業後、新聞社に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
5
軽巡洋艦「矢矧」に竣工時から乗り組み、艦と共にマリアナ沖海戦、レイテ沖海戦、天一号作戦に参加して生き残り、第四分隊長兼測的長、ケップガン(士官次室長)として「矢矧」の最期を看取った池田武邦氏を中心にした戦記。しかしそれだけでなく、栗田艦隊の反転の謎やアメリカ帰りの日本海軍士官たちの物語など、様々な語られなかった話も盛り込み、戦後の建築家としての名声をおまけと言ってのける池田氏の充実したその後の人生も描きます。戦争の描写ばかりのときは普通の戦記ものかと思ったけど、こういうものも面白い。2016/09/28
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