内容説明
月刊雑誌「丸」が二十数年にわたって連載した長編戦記三万枚から厳選した迫真の歴史の証言―一市民として父や兄が、血と涙と怒りと悲しみとに満ちあふれた苛烈なる戦場に生きた証し、心の叫びを吐露する衝撃の手記。大海軍の象徴たる戦艦と海戦の新たな主役空母の乗組員の原体験を語り伝える貴重な昭和の遺産。
目次
戦艦「大和」主砲指揮所に地獄を見た(小林健)
戦艦「陸奥」ミッドウェー海戦従軍記(佐々木確治)
海は燃えている(小谷光四郎)
あゝ「瑞鶴」飛行隊帰投せず(渡辺義雄)
戦艦「大和」機銃員の戦い(小林昌信)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
24
111大和機銃員の戦いとありますが、大和の主砲砲術員・長門のミッドウェーの戦記・空母加賀のミッドウェー戦記・空母瑞鶴の機体整備士のレイテ戦記そして大和機銃員の戦いの短編です。長門以外は全て沈没し九死に一生の壮絶な体験をされています。特に印象に残ったのが大和の砲術員の体験で総員退艦を伝えたが多くの戦友が艦内に閉じ込められ亡くなった事です。自分の事で精一杯でなんとか助かれば今度は多くの戦友の死を知り生き残った事で罪悪感に苦しまさせれる。なんという体験だろうか?自分には耐えられないと思う。2020/08/16