内容説明
昭和十八年秋、落日のソロモン最前線を舞台にペア三人が一致協力、出撃すれば生還の保証なき零式水偵を駆って、夜間爆撃に敵中突破長距離索敵行に、制空権なき死闘をくり広げた海軍水上機隊―フロート付の機体を操る予科練パイロットが、知られざる大空のサムライたちの戦いの日々を赤裸々にえがいた感動作。
目次
第1部 南十字星の戦場(地上の閃光に狙いを定めて;空中でのニアミス;長征の途に就いて;サイパンの一夜;トラック環礁でGF発見 ほか)
第2部 小松島海軍航空隊(小松島への旅;九四水偵隊編成;父島空へ派遣;あの島だ、変針!;大空襲と不発弾 ほか)
著者等紹介
竹井慶有[タケイケイユウ]
大正13年8月、福岡県に生まれる。昭和12年4月、県立浮羽中学校入学。15年10月、7期甲種飛行予科練習生。17年1月、24期飛練(水上機専修)。延長教育、教員助手をへて18年5月、鹿島空操縦教員。8月、938空付となりショートランド赴任。ブカ、ラバウル、ブインを転戦。19年3月、北浦空付。4月、小松島空付。6月、父島派遣隊。7月、東港派遣隊。12月に小松島空は903空寺田隊となる。20年5月、大湊集結。8月、大津空で特攻待機(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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零水亭
30
機種の特性上、戦記物には珍しい哨戒任務にもページが割かれています。2022/01/01
零水亭
25
零式水上偵察機、九四式水上偵察機の操縦員として太平洋戦争を生き抜いた方の手記です。著者の人柄なのか、自慢めいたところがなく、好感が持てます。淡々とした叙述に終始しますが、かえってリアルに感じさせます。昭和19年に転属命令が出て南方から戦友2人と潜水艦で内地に戻り、富士山が見えた途端に涙がこぼれた、というくだりには思わずもらい泣きしてしまいました。
roatsu
15
予科練出の歴戦下士官搭乗員として海軍航空隊の屋台骨を担ったのは自分達だという著者の不屈の誇りを感じる一冊。静穏な水面と隣接する陸地があれば作戦可能な水上機は基地設営力に劣る日本海軍において重宝され独自の発達を遂げたが、反面多様な任務に酷使され戦果・犠牲とも多大だった。その活躍の一典型として酣のソロモン航空戦から末期の本土まで、己の腕と武運で生き抜いた著者の体験は得難い史料と思う。往時の戦地や内地のありのままを伝える自身の体験や見聞などの逸話も豊富であり、著者の視野の広さや感受性の強さを改めて印象づける。2016/04/04
零水亭
12
潜水艦にて半年ぶりの内地帰還時の涙、束の間の帰郷とビックリした母の涙・・・思わずもらい泣きです。いつも。2024/05/05
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