内容説明
宣伝省の中に政府がある…。全てのメディアを掌握した、プロパガンダの怪物の正体!15000人の職員を擁した世界最初にして、最大の『国民啓蒙宣伝省』―ヒトラー、ナチ幹部、国防軍、そして市民を従属させたその全貌を描く。
目次
多感な時代
ヒトラーとの出会い
扇動家の誕生
ベルリン大管区長時代
ナチ党躍進と政権奪取
宣伝大臣ゲッベルス誕生
大衆を飼い馴らす
世界最大の宣伝機関
戦争と宣伝戦
対英宣伝戦
ロシア戦線
栄光の終わり
総力戦と撤退戦
最終ラウンドのゴング
最後の五ヶ月
著者等紹介
広田厚司[ヒロタアツシ]
1939年、北海道に生まれる。明治大学卒業。会社勤務の傍ら、欧州大戦史の研究を行なう。月刊誌「丸」をはじめ各誌に執筆。現在、翻訳家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こうず
3
ゲッベルスの生涯と、彼のプロパガンダの手法を概観する。時局の変化や敵国による対抗宣伝、総統の意向によって宣伝内容を逐一変更しなければならなかったゲッベルスの苦労に思いを馳せたくなってしまうのだが、怖ろしいのはどんな時でも即座に現状を宣伝の具にしてしまうその冷徹さか。そして、そうした宣伝手法の有効性は現代でも様々な分野で垣間見ることができる。ゲッベルスは神話的英雄にはなれなかったが、宣伝工作の脅威と見る者のリテラシーの重要性を痛感させるという意味では、確かに後世に名を残した「英雄」ではあろう。2017/02/15
うたまる
3
「1000年続く帝国を維持するために国民の方向性を定め、総統への忠誠心を高めて維持して行くことが宣伝省の役割である」……プロパガンダによりヒトラーを支えたナチ宣伝相ヨゼフ・ゲッベルスの伝記。彼の何が凄いって、当時用いた手法が今も立派に活用されているところだろう。新聞の世論操作、政治家の政策論争、企業のマーケティング、官庁の広報、宗教団体の勧誘など、もう至るところだ。で、考える。大衆の政治参加ってそんなに良いことか?大衆が政治に熱狂した時、大抵悲惨な結末を迎えてる。日本も、中国も、カンボジアも、ルワンダも。2016/09/05
黑猫
1
2020年9月7日読了2020/09/07
スウィーニー校長
0
★★★☆☆ あらゆるメディア、文化を用い幾年もかけて同じ宣伝を繰り返すと、大衆は比較と判断をできなくなり判断力を失っていった。 宣伝に真実は関係ない。 宣伝の唯一の目的は成功することである。 現在のマスコミ、メディア の偏向報道そのもの。2017/07/02
ビタミン
0
★★★★☆2017/05/20