内容説明
「死ぬために生きてきた日々」いまも著者の耳に残る、若き特攻隊員のつぶやき―若者に課せられた運命として、これほど過酷で凄惨なことが他にあるだろうか。
目次
第1章 予科練
第2章 飛練
第3章 海南島三亜空
第4章 海南島雑記
第5章 海南島二五四空
第6章 台湾
第7章 フィリピン
第8章 特攻隊
終章
著者等紹介
久山忍[ヒサヤマシノブ]
昭和36年生まれ。記録家。硫黄島戦生き残りの海軍中尉・大曲覚氏と出会ったことを機に、作家活動をはじめる。戦場体験者の証言を記録し、証言者の原稿校正を経た後に作品を発表するという独自のスタイルで、第1作は、大曲氏の証言を記録した「英雄なき島」(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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馨
10
本書は2年間かけて製作され、文庫が出た翌年今泉さんが亡くなられたそうです。この本が出て自分の戦争体験を世に伝えることが今泉さんが生き残った使命であったように思えます。とてもわかりやすく書かれていて零戦のひねりこみがいかに敵を怖がらせ威嚇していたか、栄光の戦果を書いているわけではないのにやっぱり凄かったんだと実感しました。随所に作者が今の私たちに向けて語り掛けるメッセージが心にずしっと来ます。当時生きたいと思いながら死ぬために生きてきた若者たちがいたことをずっと忘れずに最後まで生きたいと思います。2014/10/05
もちもち
3
零戦が敵機をバンバン墜としてた時代ではなく、F6Fが出てきて日本軍が不利になってきた頃からパイロットとして戦場に出撃していった方が主人公。 圧倒的に不利な状況でも生き残れる可能性のある空中戦と突撃すれば必ず死ぬ特攻じゃ、出撃していく人の心情もかなり違ってくると思う。 易しい文章で学生さんも読めると思うので、歴史を学ぶ教材としても良い。 あと、徹甲弾が鉄鋼弾になってる誤植が気になる。2021/04/06