内容説明
青い目のエース、零戦との死闘。28機の“ゼロ”を屠りながら、自らも撃墜されて捕虜となり、数奇なる運命を生き延びたコルセアのエースが、戦いの日々を活写するラバウル空戦記。
目次
天翔ける虎
ビルマ基地
ラングーン防空戦
僚機の最後
戦場帰りの兵士
南太平洋戦線へ
ブラックシープ誕生
“ゼロ”との戦い
ラバウル攻撃
運命の日
とらわれの身
大船捕虜収容所
戦いすんで
花嫁の髪
栄光は消えて
著者等紹介
ボイントン,グレゴリー[ボイントン,グレゴリー][Boyington,Gregory]
1913年、アメリカ合衆国アイダホ州に生まれる。ワシントン大学卒業。1935年、海兵隊入隊。1941年9月、援蒋義勇軍(フライング・タイガーズ)に参加、中国、ビルマ戦線で戦う。1942年11月、海兵隊に復帰。1943年1月、南太平洋戦線に参加。222戦闘機隊中隊長。214(ブラックシープ)戦闘機隊中隊長。1944年1月、28機撃墜の記録をつくるも、撃墜され、終戦まで捕虜生活を送る。1989年、死去
申橋昭[サルハシアキラ]
1927年1月、東京・渋谷に生まれる。1943年4月、陸軍予科士官学校入校。陸軍航空士官学校(59期生)。日本航空ニューヨーク空港支店長。東京空港羽田支店長。関連会社の代表取締役を歴任。傍ら翻訳、戦史研究にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
18
米海兵隊航空隊の撃墜王、グレゴリー・”パピー”・ボイントン少佐の回想録。日米戦史理解のための貴重な当事者証言の一つとして、また戦争に赴いた一人の男の人生の軌跡として実に読み応えがある一冊。訳文も秀逸。ユーモアたっぷりで飾らないが、人間や物事の本質を鋭く突く少佐の語り口を見事に表している。全体は大きく3つに分かれ、日米開戦前に米政府が蒋政権支援のため中立義務に違反して送り込んだAVG(フライングタイガースとして有名)への参加と日米開戦劈頭のビルマ地域での日本陸軍航空隊との激闘、その後AVGを離れ曲折を経て海2018/08/24
harass
3
米海兵隊28機撃墜のエースパイロットの手記。撃墜され収容所生活を一年四ヶ月送った。太平洋戦争で連合国側兵士の手記は珍しい。この著者はフライングタイガース*義勇軍パイロット部隊の一員だったことがある。日本の収容所での日本人とのふれあいが微笑ましい。日本人だからとかいう偏見から脱している視点を持っている。著者は文章から見て分かるようにユーモアのセンスに富んでいて一般日本人とかからも人気があったようだ。2013/04/26
チャゲシン
0
米で撃墜王と言えばボイントン。酒癖悪く問題時の彼は酒の問題で閑職追いやられたが海兵隊を辞めてフライングタイガースに参加、AVG 解散後海兵隊に復帰し28機撃墜のエースとなった日に撃墜され捕虜になる。悲惨な目にあったはずなのに戦後日本を悪く言わなかった男のなかの男ですわ 2017/09/28
WooD
0
捕虜になってからの描写が興味深い。 当時の日本人の考え方や感じ方が垣間見えた。 あんまり詳しく触れられてないけど、作者の正体がばれたところくだりは、日本がきちんと情報を集めて分析してたことが分かる。2017/01/22
鈴木誠二
0
何と波乱万丈な経験であることか! 空戦記も興味深いが、あのトラック島空襲にでくわすのもスゴイね! 捕虜になった後の日本側の扱いに実に考えさせられる。規則があってなきがごとく、場所は、担当者によって扱いの変わり方の一貫性の無さ。捕虜の扱いが海軍より陸軍の方がマシかも、という記述も興味深い。「違った生き物なんだ。君たち(捕虜)といる方が救われる…」といったインテリ召集兵の言葉が重い。あとオバサン、あんたホントにイイ人だよ!!2014/05/20
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