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光人社NF文庫
北朝鮮からの生還―ある10歳の少年の引き揚げ記録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 169p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784769827689
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

僕は生きる。38度線を越えて―死んだ母や兄のぶんまで。飢餓と極寒の大地で母を亡くし、兄を亡くし、たったひとり生きぬいた昭和20年の冬―生きるとは?死ぬとは?人間とは?死を直視した10歳の少年が真情を吐露して感動を呼ぶノンフィクション。

目次

豊橋・敗戦前
戦争のかげ
激しさを増す戦争
空襲と地震
北朝鮮へ
敦賀から羅南へ
羅南での生活
羅南国民学校
日ソ開戦と避難行
母の病気
咸興仮収容所
母の死と理解
「一心楼」での収容所生活
発疹チフス
達兄の死
冬すぎて春
北緯三十八度線
帰国

著者等紹介

久木村久[クキムラヒサシ]
昭和10年9月3日、愛知県豊橋市松葉町に生まれる。20年1月、北朝鮮へ渡航。21年5月、北朝鮮より引き揚げ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoneyama

6
山岳部OBの久木村さんの名を、書店で文庫本の背表紙に発見。僕の知っている、朗らかな文章を書く、1962北大チャムラン遠征隊員に、こんな過去があったのか!と初めて知った。我が父とほぼ同年の昭和10年生まれ。敗戦で、北鮮からの逃避行のさなか、兄と母を亡くした。その長いいきさつを、当時の大人たちの些細な言葉の記憶を盛り込み記録。一個人の戦争体験記ながら、こうしたものの総体が、戦争の全貌であると思う。言葉を尽くし、一冊の本にし得た久木村さんの心境はどうだろう。2016年といえば豊橋に居た。訪問せず悔やまれる。2019/12/19

うたまる

5
10歳の時に北朝鮮で敗戦を迎えた著者の、日本への引き揚げ行の記録。多感な年齢であったにも拘らず、死に対する感覚が鈍磨していく様が印象的だった。特に最も親しかった兄の死に際して、「ああ、死んでしまった。中断していた昼食を続けなければ」と事の優先順位が逆転し戸惑う姿が痛々しくも滑稽。情が薄いとか関係性が弱いとかではなく、極限状況下における自己保存本能のなせる業だろう。他、引き揚げ行で目撃した様々なクズ人間模様も記録されている。歯痒いことだがクズほど生き残る。適者生存というなら、クズこそが正しい振る舞いなのか。2016/04/06

nota

3
●2006年12月4日 印刷 12月10日 発行 ●著者の父上が陸軍軍医中尉として(北)朝鮮に出征 ●地震や空襲、食料不足を懸念し家族(母、兄、氏)はのちに女中の女性1人とともに父を追い安全な朝鮮に行く。 ●昭和20年8月9日、ソ連は満州、朝鮮に侵攻。父とは生き別れ、日本を目指す。母、兄は道中の収容所で亡くなる。 ●本書では筆者の感じた時代の空気を濃厚に感じることができる。 ●植民地たる朝鮮における、現地朝鮮人子供との距離感、学校での「父の軍人としての地位」というヒエラルキー、騙す人たちなど。2024/04/21

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