光人社NF文庫
硫黄島戦記―玉砕の島から生還した一兵士の回想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 218p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784769827597
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

アメリカ軍の硫黄島殲滅作戦とは、どのように行なわれたのか―日本軍戦死者二〇一二九人、米軍死傷者二八六八六人。南北八キロ、東西六キロ、東京品川区とほぼ同じ面積の島嶼で繰りひろげられた栗林兵団と米海兵隊との凄絶な肉弾戦の一端を、奇蹟の生還を遂げた一日本兵がヴィヴィッドに伝える驚愕の戦闘報告。

目次

第1章 運命の征途(出帆のとき;輸送船海没 ほか)
第2章 玉砕の戦場(硫黄島上陸;粗悪食事の実態 ほか)
第3章 最後の抗戦(稲田中尉との別れ;とりつかなかった死神 ほか)
第4章 捕虜の汚名(出壕の日;虜囚の第一歩 ほか)
第5章 故郷の山河(かき立てられた望郷の念;故国に帰る日 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

手押し戦車

10
人生の中ではいくつかの重要な分かれ道がある。時には人生を左右してしまうような重要な選択肢が用意され、どちらを選ぶにして良い悪いがはっきりしない場合がある。そのような時は自分の中で「誰が」じゃなくて「何が、正しいのか」の問いかけが一番の答えだ。本人が自分と向き合って正しいと思った道を自分で選んだのが答えになる。自分が選ぶという事は裏には決意が込められている。他人から誘導された答えは選ばされたという被害感が入ってしまう。人生の大事な選択の時は最終的には自分と向き合って答えをだす。その裏には決意という心が入る。2014/04/02

おい

2
淡々とした記述にその信憑性を感じる。本編にも増してあとがきの内容はなかなかパンチがある。まあその信憑性も明らかにするのは難しい。 ★★★★2021/08/22

チャメ

0
硫黄島の戦闘、飢餓、離脱、捕縛、帰還を淡々と記した手記。ゴーストライターの影が見えない素朴な文章がリアリティーを醸し出す。あまりに淡々としているため、苦悩や緊迫感を見落とさないよう注意して読んだ。印象的な描写はいくらでもあるが、帰還後の奥方の話は戦争が生んだ皮肉としか言いようがなく、気持ちを推察することすらはばかられる。2014/03/12

好古

0
本書は所謂"戦記物"ではない。行軍や激戦や前線の四方山話などの即物的な興味を満たす描写は一切無い。あるのは戦争という巨大な抗えないうねりに翻弄された一人の男の人生の一部だ。筆致も淡々としていて誰かに読ませるためと言うよりは、著者が自分の為に書いた記録を読んでいるようだ。著者は既に一度3年8か月の中国戦線の従軍を終えて、再度招集された。記録は乗船した父島行きの輸送船は貨物の戦車ごと魚雷で撃沈されるところから始まる。硫黄島へ移転してからは戦闘らしい戦闘の描写はない。ひたすら米軍の砲爆撃に耐える。2024/12/14

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