内容説明
迫り来る敵に対して勇猛果敢、九二式重機関銃を撃ちつづけた日本兵の壮絶なる戦場。夜襲、切り込み、ゲリラ討伐―最前線に投入され、マラリアや飢えとも戦いながら何度も生死の境を乗り越えた男の激闘の日々。
目次
第1章 軍隊生活はじまる(甲種合格;虎の子のMG分隊へ;訓練の成果;外泊;最後の別れ)
第2章 比島をめぐる戦い(出港、比島へ;野戦の教育;重火器小隊へ;マリンドケ島へ;ミンドロ島の分哨 ほか)
第3章 急を告げる戦況(反抗の兆し;アシン討伐;米軍の空襲はじまる;バギオへの道;命令下達;切り込み隊長に選抜 ほか)
第4章 降伏、望郷の日々(連隊復帰;降伏へ;仮収容所に到着;敗残兵の悲哀;カンルーバン収容所 ほか)
著者等紹介
川崎恵一郎[カワサキケイイチロウ]
大正10年5月2日、静岡県周智郡三倉村に生まれる。昭和9年、三倉尋常高等小学校卒業。16年5月、甲種合格。同年12月、中部第6部隊名古屋守山騎兵隊入隊、同月、捜索16連隊要員として京都騎兵20連隊転属。17年5月、フィリピン上陸、比島派遣垣第6557部隊岩崎隊大野隊機関銃第1分隊編入。20年9月、米軍に投降、捕虜生活。21年8月、復員、農林業につく。50年、フィリピンに戦没者の慰霊碑建立。以後、慰霊および遺骨収集のため90歳直前まで30回以上フィリピンを訪問。茶手揉み師範、静岡県指定無形文化財。平成24年1月27日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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好古
2
戦闘員ではない(ゲリラの一味ではある)女を突き殺したり、捕虜になったゲリラを殺害する場面が出てくる。友軍が酷い殺され方をして、そうした戦場にいると気が立って敵を簡単に殺せる様になると書かれていたがよく戦犯で起訴されなかったなと思う。現地のフィリピン人と交友する場面もあるが、所詮占領する側とされる側で関係が対等であるはずもなく、表面上は友好的に見えても現地人も内心どう思われていたか、想像に難くない。重機関銃での戦闘も具体的に書かれていてなるほどと思った。兵隊の仕事はとにかく穴掘りと陣地構築である。2025/01/16
Seamoon
0
淡々とした体験記でした。与太郎戦記のような面白いエピソードはありませんが楽しめました。2012/09/05