内容説明
ヒトラーの命令を唯一とし、忠誠をつくすことを求められた軍隊。権力抗争に明け暮れながら、強大な軍事力を独自に発展させた武装SSとは、どんな組織だったのか。プロイセン陸軍の流れをくむ国防軍との複雑な関係を明らかにし、その誕生から終焉までを辿る。写真・図版350点を駆使して詳解する精鋭部隊の全貌。
目次
第1章 SS(親衛隊)の盛衰(SA(突撃隊)とSS(親衛隊)
ハインリッヒ・ヒムラー ほか)
第2章 武装SSの組織(SS中央本部・SS徴募本部・SS作戦本部の変遷;武装SSの徴募と訓練 ほか)
第3章 武装SSの軍装(SS師団マーキング・袖章;階級)
第4章 SS装甲師団・装甲擲弾兵師団の戦闘記録(SS装甲師団の戦闘記録(SS第一装甲師団ライプシュタンダルテ(親衛)・アドルフ・ヒトラー
SS第二装甲師団ダスライヒ(帝国) ほか)
SS装甲擲弾兵師団の戦闘記録(SS第四装甲擲弾兵師団ポリツェイ(警察)
SS義勇第七山岳師団プリンツ・オイゲン ほか))
著者等紹介
広田厚司[ヒロタアツシ]
1939年、北海道に生まれる。明治大学卒業。会社勤務の傍ら、欧州大戦史の研究を行なう。月刊誌「丸」をはじめ各紙に執筆。現在、翻訳家として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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YS-56
4
ドイツ軍の中でエリート部隊を目指した武装親衛隊。確かにドイツ人志願者で編成された初期のSS師団は、エリート部隊と呼ぶにふさわしい活躍をしました。しかし、武装親衛隊には徴兵権が無かったため、戦力が消耗した後の兵員補充は、いきおい各占領地のドイツ系住民の志願を募ることになり、それすら消耗した戦争末期には、当初の目標とは似ても似つかぬ寄せ集め的で多国籍な義勇SS師団が乱立しました。総力戦という数の暴力の前には、エリート部隊なんてものは夢のまた夢なんでしょうかね…。2010/10/01
富士さん
2
さすが軍事ライターさんなだけあって、こういうものを手に取る人間が何を知りたいのかわかってらっしゃる。雰囲気のある当時の写真。いち師団ごとの詳細な戦歴。象徴的な指揮者の経歴を交えた略史。組織図と階級の解説。そして階級章や勲章の説明。以前読んだ芝健介さんの類書がほどんど頭に残らなかったのとは対照的で、欲しい情報が手早くぎっしりと詰め込まれており、売り物としての手堅さを感じました。加えて、戦争文化を考える上で示唆に富む情報が豊富に含まれています。ただ、そのためには参考文献が記されていないのが残念ではありました。2014/01/19
ビタミン
1
★★★★☆資料集的に読むには全然いいんだけど、ちょっと誤植多い2016/01/20
モリータ
1
欧州戦線についてあまりにも不勉強だったので概説的なものを探して、とりあえずのとっかかりとして選んだ。武装SSの戦歴を追うことで確かに独ソ戦・連合軍反抗戦の流れをざっと読めたのだが、なにせ悪文(と落丁)が気になって読みすすめづらかった。もう一冊「独ソ戦車戦」も買ったのでそちらに期待。にしてもドイツ軍もむちゃな編成してたんやなぁ、というのとやはりアジアの陸戦との違いが印象深かったのだった。2011/11/12
代理
0
通史を書くのか師団ごとの列伝にするか、どっちかに絞ったほうが良かったと思う2023/11/14