内容説明
飛行機もろともみずからの肉体を敵艦に四散させる体当たり攻撃・特攻―若き特別攻撃隊員たちは、最前線の特攻基地で「約束された死」の関頭に立って、何を思い願って出撃していったのか!逝く者、遺された者、それぞれに重い十字架を背負い、死を全うし、あるいは生きなければならなかった悲劇の歴史を綴る。日本文芸大賞ノンフィクション賞受賞。
目次
居酒屋「薩摩おごじょ」
映画「乙女のいる基地」
光山少尉の「アリラン」
魔海の決死渡航
不時着特攻兵の生と死
黒島の絆
猶予された時間に
幻の「振武寮」
それぞれの戦争
特攻妻二人の壮絶な選択
米海兵隊、知覧上陸
米軍進駐
司令官の巡礼
著者等紹介
佐藤早苗[サトウサナエ]
1934年7月1日、東京都中野区に生まれる。戦争のため広島県福山市に疎開。女子美術大学洋画科に入学。中退後、鶴岡政男画伯に師事する。自由美術協会会員として創作活動。グループ展、個展、イラスト集出版。1970年、ノンフィクション作家に転向。執筆活動。その他、NHKの「ニュースセンター9時」のインタビューアーをはじめ、テレビ、ラジオ、講演などで活動。日本文芸家協会、元日本ペンクラブ会員。『特攻の町・知覧―最前線基地を彩った日本人の生と死』で、日本文芸大賞ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とくけんちょ
49
特攻に行く兵たちを見送った町、知覧。その町で兵たちの母親として面倒をみた食堂の母もいた。自らが爆弾となって、祖国や家族を守るために神となった特攻兵。その歴史のうえに私達は生きている。じゃあ、兵隊だけが凄かったのか。残された娘たちは語る。敗戦国の苦悩を。叫ぶ。降伏するなら、なぜ特攻をさせたのか。覚悟は兵だけのものじゃない。戦後、米兵に懐くこともあった。叫ぶ。自分の心は、一つとて昔と変わりないぞ。心の臓から血を流すような叫び。考えながら、生きる。2022/08/01
きんた
10
昨日、知覧特攻平和会館で購入しました。20歳前後の大勢の若者が国のために散っていったことは皆知っているけど、その裏側で、出撃したものの生還した者の苦悩、隊員を支えていた人の苦悩が書かれている。今の平和の意味を考えさせられた旅行となりました。2019/02/04
ちょっきんな
10
今まで何冊か戦争の本読みましたが、こちらの本では更に細かく、そして新たな事も分かりました。 こちらは鳥浜トメさんの娘さん礼子さんなどが語ってます。 2018/08/10
廊下とんび
5
女性ならではの視点、そして21世紀ならではの総括というか、戦史というものもこういった多面的な物になるとともに歴史の教科書の一つの記事という風に遠いい他人事になって行くものなんだろうな2020/10/26
Yetina
3
知覧茶、武家屋敷庭園、特攻の町で知られる知覧。特攻平和記念館はじっくり見たら1日がかりだろう。時間切れで急いで衝動買いしたの本の一冊。終戦直前、現代の感覚では狂気の時代とも思われる時代を生きなければならなかった若者達。特攻隊員達が最後の日々を過ごした三角兵舎で隊員の世話をした「なでしこ隊」、特攻の母と言われた富谷食堂の鳥浜とめさんと娘の礼子さん、逝った者たちと残った者たちのその後など、当時の様子が赤裸々に綴られる。読んでよかった。価値ある衝動買いであった。2025/07/20
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