内容説明
太平洋戦争末期に登場し、その驚異的な性能と優れたパイロットの技量によって本土上空の戦いにその名をとどろかせた日本海軍最後の主力戦闘機「紫電改」―わずか四百機余の生産数と半年足らずの活躍期間にもかかわらず、日本戦闘機の終焉を飾った名機にたずさわった人々の熱き情熱を綴る感動のノンフィクション。
目次
プロローグ―初陣の日
第1章 大いなる助走
第2章 難問への挑戦
第3章 俊翼飛ぶ
第4章 戦火の中で
第5章 終焉のとき
エピローグ―名機は死なず
著者等紹介
碇義朗[イカリヨシロウ]
1925年、鹿児島生まれ、東京都立航空工業学校卒。陸軍航空技術研究所をへて、戦後、横浜工業専門学校(現横浜国立大学)卒。航空、自動車、鉄道などメカニズムと人間のかかわり合いをテーマにドキュメントを発表。航空ジャーナリスト協会会員。横浜ペンクラブ会員。自動車技術会会員。カナダ・カーマン名誉市民(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Eightman
2
零戦以降、中々後継機を世に出せなかった日本海軍が期待を込めて送り出したのが紫電改であった。川西航空機は、元々は97式飛行艇や2式大艇のような水上機のメーカーであったが、強風という水上戦闘機を開発したことが紫電や紫電改に繋がっていく。 日本には三菱や中島の他にもこの川西や川崎といった優秀な航空機メーカーがあったのだと改めて感心させられる。紫電改を開発するに当たっての苦労は、三菱たちと同じくn血の滲むようなものがあった。この技術力が、いまのPS-1やUS-1に繋がっていると思うと、非常に感慨深いものがある。 2014/04/20
どくしょおやじ
2
紫電改の予備知識無しで読んだので、とても興味深い話ばかりで最後まで楽しめました。 技術者は戦場に駆り出されることが無かったのでラッキーだったのかと思っていましたが、とんでもありませんでした。不眠不休で働いて過労死する人も珍しくなかったようで、全く自分の認識が甘かったです。同じ作者による「紫電改の六機」も読んでみたいです。2012/10/21
カール
1
太平洋戦争末期の日本軍機には、その活躍を期待されながらも熟練パイロットの消耗や元々低い工場技術。そしてさらに学生の勤労動員による部品の劣悪化や物資の不足もあって、100%の力が出せなかった。紫電改のその中の1つで、やはり作中でもP-51やP-47のように大活躍したとは言えない。だが、それでもより良い戦闘機を作るべく奮闘するエンジニアや技術者、勤労動員によって駆り出された女学生。テストパイロットに、味方に翻弄された軍人達と、様々な人種が1つの飛行機によって生まれた数々の人間模様には考えさせられるものがある。2015/12/02
akizuki_b
1
紫電改の誕生から終焉までの話。興味深いものだった。2010/10/19
伯眉
0
表紙が違うので、読んだものは2014年新装版であろう。2014/09/29