内容説明
第一次大戦の青島で捕われの身となったドイツ兵捕虜九百三十九名を私淑させ、畏敬させた板東俘虜収容所長松江豊寿。そのヒューマニズムを軸に、日本で最初に「第九交響曲」を演奏したドイツ捕虜と日本の若者たちの管弦楽団の逸話などドイツ兵と四国徳島板東の人々との民族を越えた人間愛をえがいた感動の物語。
目次
ああ青島
戦乱成金
捕虜の家
会津降伏人
カイゼルの犬
日語通
特殊捕虜
愁色
クリスマス前後
ドイツ天長節
俘虜展覧会
前線・銃後
絵と詩
オーロラの下
波紋
シークフリード倒る
異国の土
ヴェルサイユ宮殿
望郷
ドイツ・ブリュッケ
春の跫音
サヨナラ
星霜
著者等紹介
棟田博[ムネタヒロシ]
明治42年11月、岡山県津山に生まれる。早稲田大学文学部国文科中退。陸軍伍長。太平洋戦争中は陸軍報道班員として南方各地へ従軍。帰還後、「分隊長の日記」を発表。昭和17年、「台児荘」で野間文芸奨励賞受賞。文芸家協会評議員等を歴任。昭和63年4月歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スー
21
116板東収容所を青島攻略から帰国までをドイツ兵視点と日本側の記録とヨーロッパの情勢を交えて語られています。板東は施設が充実していてヨットクラブ・テニスコート・サッカー・バー・パン工房・ケーキ店・ソーセージ工房を完備していてかなり快適に生活ができたようです。日本はドイツ兵達が色々な技術を持った技術者がいる事を知りなんとかその技術を獲ようと知恵をしぼったそうだが、ここ板東では自然と技術の移植がなされドイツパン・バームクーヘン・ソーセージ・チーズ・バター・畜産・農業・音楽・器械体操の発展に貢献した。2019/08/11
我門隆星
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第一次世界大戦の青島のドイツ兵を集めた捕虜収容所の話。で、その中でコンサートがあって……と、ああ、これ、「第九の初演」は、すげーあっさりとしか触れていないw。うん、でも、それ以外の話が読みたかったので、ねw。2014/12/13