内容説明
郷土の家族を守るために、ビルマ戦線の日本兵はどんな思いで散っていったのか。負け戦の最前線で、生死の境を体験した一兵士はペグーの山河で何を見たのか。雨にさらされ、シッタン平野を血に染め、飢えと病魔におかされ、裸足であるいた敗残の日々を克明に描いた感動の戦記。現代の若人に語り伝えたい戦場の実相。
目次
野戦部隊の出征
ビルマ進駐
ベンガル湾岸警備
戦況不利
転進作戦
雨、飢餓、屍
敵中突破
抑留生活
復員への道
著者等紹介
小田敦巳[オダアツミ]
大正11年2月、岡山県に生まれる。岡山県立岡山第二中学校卒業。米沢高等工業学校卒業後、東京無線電気株式会社に入社。昭和18年2月、臨時召集により輜重兵第五十四連隊に入隊、第一中隊に編入。同年9月、ラングーンに上陸、以後、ビルマ国内各地を転戦。終戦後、1年半の抑留生活をへて、22年7月、復員。23年7月、農林省岡山資材調整事務所へ勤務。25年4月、岡山県庁へ勤務。52年4月、定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yuji
8
これまで戦争に関する本はたくさん読んできた。後知恵解釈や俯瞰した組織論、事実を整理したノンフィクション。この本は、それらと全く違う。ノンフィクションだけれども当事者なので、文章が主観的なのだ。見たことが感じたことがそのまま書かれている。ただ、文章が拙いので臨場感があまり伝わってこないのが残念。死臭は想像できないが相当な臭いなのだろう。死が常態化すると感情が薄れ、ああは成りたくないと感じ、生き延びれたなら、仲間の死も報われただろうか?2018/09/19
ゆたか
2
祖父がビルマで戦死したので、その実情はどうだったのだろうかと思い読みました。戦死というよりも飢餓と病気など、あまりにも過酷な描写に驚きました。祖国への思いを持ちながら亡くなられた方たちのご冥福を祈ります。2021/01/01
ぐちーず
2
凄惨な撤退が中心。筆者は兵兵団の輜重兵として生き残った。食べ物、マラリア、下痢、落伍、自決という日常に凄惨な撤退が垣間見える。2010/06/19
秋乃みかく
0
★★★★☆2009/08/12