内容説明
諸君はすでに神である―大西長官から特攻を命じられてから、アメリカ空母に体当たりを敢行して生を全うするまで、逃れられない死と直面しなければならなかった若者たちの秋霜烈日の青春の時を綴る感動作。三十年間「特攻」を追い続けてきた映画監督が、多くの証言を得て五人の搭乗員の懊悩葛藤を描く鎮魂譜。
目次
第1章 死を決められる日
第2章 出撃
第3章 軋轢
第4章 一期一会
第5章 わかれの日
終章 敷島隊体当たり後の記録
著者等紹介
根本順善[ネモトマサヨシ]
脚本家故八木保太郎門下を経て、新東宝撮影所の助監督となる。テレビドラマ「おさな妻」で監督デビュー。「光GENJI・ふしぎなBABY」といったエンターテイメントの映画を監督する一方、昭和61年度のテレビギャラクシー賞を受賞した「比叡山紀行・阿闍梨二千日を歩く」のような本格ドキュメンタリー作品も演出する。1991年、神風特攻敷島隊を追視した映画「北緯15度のデュオ」を監督し、同年度の日本映画復興会議奨励賞を受賞する。日本映画監督協会関西部会副幹事
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感想・レビュー
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金吾
28
特攻を命じられた後の敷島隊の5人の心境を思い描いた一冊です。心境を類推するとやりきれないものがあります。特に命じた側になった瞬間に他人事になったり、レイテのみの特別な作戦が常態化したりすることに恐ろしさを感じました。2025/02/03
かおりんご
24
小説。史実をもとにしているけれど、脚色あり。特攻隊に任命された関行男大尉と敷島隊の隊員たちが、突撃するまでの5日間を表したもの。非常に読みやすく、あっという間に読み終わりました。小説仕立てだから、より感情移入してしまいます。2014/01/19
馨
5
地元の本屋・図書館に置いてなく、この度永遠の0映画化でコーナーが出来、仕入れたようです。関行男大尉率いる敷島隊の出撃迄5日間と隊員の葛藤を描く小説で映画みたいでした。(史実を映画みたいなんて平和ボケ失礼極まりないと恥じます。)関大尉は私の地元のお隣、大黒飛曹長は同じ地元でお墓参りもしょっちゅう行かせていただいております。地元からお2人のような戦闘機乗りがいらっしゃった事を誇りに思います。愛する人を死んで守るとただ1つの命を犠牲に戦って下さった隊員の方々のおかげで今があることを忘れず一所懸命に生きたいです。2014/01/02
Mayumi_M
3
青春小説感満々になっちゃってたせいか、神風特別攻撃隊の命名者であった猪口力平と、同時期にシブヤン海で沈没した武蔵艦長の猪口敏平兄弟の悲劇性に目が移ろってしまった。2023/02/26
けい
3
出撃までの関隊長と部下の姿や思いがよく描かれていて、読みながら胸が痛かった。特攻、、、私ならできん。。。怖いし、たまらん気持ちやし。。。2009/10/06