内容説明
昭和二十一年一月、陸軍は疲弊した市民を根こそぎ召集する百五十万の動員計画を立て、艦隊なき海軍は三千機の航空機を温存した―二十年秋の九州南部につづいて、関東への進攻が予想された本土上陸戦に、陸海軍は、いかにその戦備を整えていたのか。全国民を組織化させる未曾有の“決号作戦”の全容をえがく。
目次
海軍の本土決戦準備(海軍総司令部と決号作戦)
陸軍の本土決戦準備(国民総武装の体制)
米軍の対日進攻計画(九州および関東への上陸作戦)
本土決戦の実状(九十九里浜防衛部隊;首都防衛と大口径高射砲;松代大本営の全容)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
29
日本軍側の計画,米軍側の計画,当時の物流,物資の残存状況,各将校から見た兵士の装備,粘度,防衛施設の整備状況.私の祖父は当時,防御施設の建設に駆り出されていたので,興味深く読んだ.将校で中隊長クラスは,粘ればもっと良い条件で講和できると思っていたようだった.ポツダム宣言は非常に厳しく,これが逆に戦争をやめられない原因のひとつになったようにも感じた.兵士の粘度は高いが,物資と装備の欠乏はひどく,水際で食い止めるのは不可能であるのは良く分かった.せめて,機動力がある部隊が整備されたインフラを活用して戦えば,ド2016/11/22
きのきの
4
久我山の15cm高射砲の隊長の証言(手記)が載っている。これだけでも、他の同種の書籍と違う価値がある。手記によると、被害は与えた可能性はあるが、撃墜は確認出来て無い。やっぱり伝説だったのね。こんな手記がありながら、伝説は一人歩きしている。2012/02/09
naftan
2
元陸海軍将校の記す本土決戦準備、海軍は組織の変遷と文書抜粋を主として事実をもって記す系。陸軍は指揮官や参謀の証言手記日記など肉声をもって記す系。作家の書く米軍の準備については、マッカーサーとニミッツの主導権けんをどちらが握るかの相克を柱として記す。その他、当事者の九十九里での陣地構築、久我山の十五高、防研研修員の松代大本営の話。2012/11/12
映画屋
1
内容薄い2010/04/27
ビタミン
0
★★★★☆2013/11/09