内容説明
軽巡級の船体に三万浬の航続力と俊速を合わせ持ち、特殊攻撃機三機を搭載する巨大潜水艦、大戦末期に登場したイ400。比類なき“海底空母”を完成させた日本海軍潜水艦五十年の足跡を写真・図版三百点で徹底解剖。明治の輸入潜水艇から日本固有の艦隊型潜水艦など、各国代表艦も数多く詳解するビジュアル決定版。
目次
プロローグ 潜水艦の誕生
第1章 潜水艦の構造と機能
第2章 艦内の構造と設備
第3章 潜水艦の兵装
第4章 潜水艦の運用と活躍
第5章 特殊な潜水艦
エピローグ 対潜兵器
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スー
21
142日本の潜水艦の開発・運用・仕組みを知ることができる入門書です。ソーナー・レーダーの開発と対策の遅れと輸送任務により多数を失う事になった。それに艦隊に追随する高速性や航続距離を優先した為に大型化し大きなディーゼルエンジン搭載で騒音が大きく簡単に探知されてしまった、ドイツに到着した時はよくこんな大きな音を出してここまで来れたなと驚かれたそうです。艦長達から嫌われた電気式魚雷が世界的に見てかなり高性能だったのは驚きました。いくつか優れた技術があったのに活かせず残念です。2021/12/29
植田 和昭
10
木俣慈郎さんの本は、とてもよく調べられていて、独特の筆致でかきあげられており、素晴らしいです。日本の潜水艦の誕生から、第二次大戦の終わりまでイ号、ロ号、ハ号潜水艦の事が詳しく述べられています。また他国の潜水艦のイラストや写真も多数のっています。92式電池魚雷がドイツの物より優秀だったと初めて知りました。95式酸素魚雷の事は知っていました。ただイ351が処女航海で撃沈されたところは誤りです。イ351は、日本・シンガポール間のガソリン輸送に従事し1回目は往復に成功しています。2回目の帰途に沈められています。2024/08/01
白義
8
日本海軍の潜水艦の歴史、構造、運用を解説。明治末の痛ましく顛末が武士道的な第六号艇事件から、やがては九五式酸素魚雷や偵察用水上機など世界トップクラスの技術を誇った日本潜水艦の栄枯盛衰が盛り込まれている。大鯨といった潜水母艦が、単に潜水艦の補給基地にとどまらず、生活性のない潜水艦にとってのホテル代わりでもあったことは初めて知った。レーダー技術の遅れや連合国のダメコンの優秀さから思うように戦果をあげられなかった日本潜水艦だが、海底空母400型や米本土爆撃の伊二五などロマン溢れる艦も多い2014/06/24
Mr.deep
4
潜水艦について知ろう語ろうと思うなら必読の概説書。徹頭徹尾理系チックな事実の陳列解説が主なので物語として楽しみたい文系的としてはちょっともえづらいかも。2022/07/24
好古
2
【感想】元々艦船の知識は乏しいのだが、とりわけ第二次大戦の潜水艦となるとほぼ皆無に等しい。伊400くらいしか知らない。本書は私の様な素人にも易しく、文章も平易で読みやすく、また白黒で所々不鮮明ではあるものの写真や図版も豊富で読んでて飽きない。【備忘】①潜舵は艦橋に付けた方が水中の操縦性が良い。②第二次大戦中の潜水艦の潜航能力は100m。③日本では三か月分の食糧を積むため、三か月行方不明の乗組員は戦死と扱われた。④Uボートはエンジンの騒音防止のため床にゴムを敷いたが日本には無かったため騒音が大きかった。2025/07/10