内容説明
神祀りの時間と空間とはいかなるものか?『火山列島の思想』(1968年)以来思考し続けてきた「神話的想像力」という主題を、より主体の側の問題として焦点化しつつ、歴史残留そのものとしての自己の内部からテキストを読み解く。祭祀と神話の内部構造を考古学的事実と重ね合わせながら、画期的な視点を提示した『秘儀の島』(1976年)、および神話論考「神の日本的性格」「古代人の心情」「神話の生態」などから編む。
目次
1 秘儀の島(神異の幻想;聖地篭もり―日本神話の創造・再生の空間;秘儀の島―神話づくりの実態;日本の神話的想像力―神話の文法;久遠の童形神―イメージの化石を掘る ほか)
2(古代人の思想(抄)
神の日本的性格
神話的想像力
神話的想像の表層・古層―記紀にみる古代人のこころ
文学史上の『古事記』 ほか)
著者等紹介
益田勝実[マスダカツミ]
1923年、山口県に生まれる。東京大学文学部国文科卒業。法政大学文学部教授を長く務める。国文学のみならず歴史学・民俗学などの方法を駆使し、日本人の精神的古層を明らかにした。また、高等学校用国語科教科書の編集にも携わり、国語教育への多くの提言を行った。実証と想像力のせめぎあうその緊張した文章は、多くの読者を魅了している
鈴木日出男[スズキヒデオ]
1938年生まれ。成蹊大学文学部教授、東京大学名誉教授
天野紀代子[アマノキヨコ]
1940年生まれ。法政大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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