内容説明
全幅二十二・五メートル、全長十六メートル、最大速力時速四百七十八キロ、米軍からは、サリーと呼称された陸軍九七式重爆撃機―熾烈な日米航空戦を防御力なき旧式重爆撃機で戦いぬいた六名の搭乗員たち。以心伝心、人も機体も真に一体となって、劣悪な条件を克服し、それぞれの責務に専心した男たちの心情と行動を綴る感動のノンフィクション。
目次
第1章 重爆隊はゆく
第2章 帰らざる日々
第3章 ビルマの空の果て
第4章 南溟の夕映え
第5章 悲しき未帰還機
第6章 死闘はつづく
第7章 最後の飛翔
著者等紹介
久保義明[クボヨシアキ]
大正9年11月、兵庫県に生まれる。第二神戸中学校を中退して、昭和12年12月、陸軍予科士官学校(54期)に入る。16年3月、陸軍航空士官学校を卒業して陸軍少尉となり、飛行第14戦隊付となる。乙種学生をへて同10月、中尉。日米開戦にともない、フィリピン、マレー、ビルマを転戦。18年2月、ココポに進出、ニューギニア、ソロモンに戦う。18年12月、浜松陸軍飛行学校教官。19年3月、大尉。三国で終戦を迎える。戦後、教職につき55年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スー
21
66死守命令を読んだ後も他の地上戦の本を読むつもりでしたがビルマでの軍司令官が部下を置いて逃亡や辻政信を始め高官達の前線視察もせず現実無視の作戦指導と友軍航空隊を見ない等の話が気になりビルマと書いてあったので選びました。此方でも進出したばかりで燃料弾薬が無い状態での出撃命令や現場の隊員達の高速度・高火力・防弾の向上要請の無視、陸軍と海軍の訓練の違いや情報を共有しない事による弊害により無駄な損害を出し悔しい想いをする事が何度もあった。ただ現場では九七重爆二型と海軍の一式陸攻のエンジンが同じなので部品を分けて2021/05/06
Job
0
重爆乗りの戦記としてはタイトルに恥じない面白い本。ただし、機体の防弾について作中で一切言及がありません。筆者が途中で乗り換える九七重爆二型以降には防漏タンクや装甲板があるはずなのですが新旧の比較も含めて防弾関係の記述を期待して買う事はお勧めしません。サブタイトル詐欺です。2014/04/20
三平
0
重爆とは名ばかりの九七重爆。正しく搭乗員は消耗品だったんでしょうね。戦闘機はともかくこの爆撃機はいけません。2014/01/05