内容説明
太平洋戦争とは欧米的な発想と日本的な発想との勝負であったとも言われる―レイテ沖海戦で敵空母群を猛撃、大胆にして細心、常に目的意識を見失うことなく、自己を鮮明に標榜して発想する日本海軍稀有の人材。開戦とともに生起した航空決戦にのぞまなければならなかった名砲術指揮官の苦悩の道を描く人物伝。
目次
第1部(山本五十六との会見;とまらない涙;初の飛行艇母艦艦長;「秋津洲」流戦場航海術;蜃気楼の大戦果;バカの標本;航空主兵・戦艦無用論;用意周到な男;海の狼)
第2部(おどろくべき大望;型やぶりの青年士官;艦隊派と条約派;軍人の本分)
第3部(小沢治三郎の必勝戦法;「戦力絶対」の訓練;旗艦沈没;戦艦「武蔵」救援;全軍突撃セヨ;ライオン艦長;功績抜群)
著者等紹介
生出寿[オイデヒサシ]
大正15年3月、栃木県に生まれる。海軍兵学校74期。海軍少尉。東京大学文学部仏文科卒。平成18年12月、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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下田翁
1
「航空主兵・戦艦無用」つまり山本五十六の戦術批判はわかる。しかし、優勢な戦闘機による護衛付きの艦隊を編成するにはその艦隊に必ず空母を必要とする。対する米国艦隊は航空主兵で日本国艦隊を殲滅していった。決して日露戦争当時の戦艦対戦艦ではない。著者の指摘するところの戦術を日本も米国も採ったわけはない。つまり、仮説であり評論の段階。空母を中心とする米機動部隊に対して著者の指摘する戦法で挑んだらどうなっていたのか興味深い。あと、後半はまだマシだが、前半部分の日本語は小学生の作文レベル。いや中学生か。2022/10/08
えるまぁ
1
大鑑巨砲主義を過去の物にした、航空戦。時の長官山本五十六が後押しし、源田サーカスや坂井三郎がもてはやされ、航空機の華々しい戦果をかんがみるにそれが主流だと思っていた。 が、その一般論に疑問を投げかける点が新鮮だった。 2012/07/04
連雀
0
黛治夫の名前は有名ですが、伝記となると初めて読みました。「航空主兵主義」を徹底的にこき下ろしていて、面白かった。2011/03/29
とりゅう
0
頑固な艦長ですが非常に合理的でした。重巡利根の大活躍が爽快でした。2010/12/25
奥 清衡
0
よろし。
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- 和書
- マイン 〈下〉