光人社NF文庫<br> サイパンから来た列車―棟田博兵隊小説文庫

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光人社NF文庫
サイパンから来た列車―棟田博兵隊小説文庫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 301p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784769821007
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0195

内容説明

“死者よ、甦れ”戦野に生き残った者の悲願であり贖罪である、失われた命への回帰―深夜の東京駅に降り立った玉砕島サイパンからの幻の一団。汗と泥と血でぼろぼろの戎衣をまとい、硝煙やんで久しい故国へ帰参した元兵隊たちの目に映じた夢幻の人情世界。兵隊小説の第一人者が描いた感動の戦記文学。他四篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tecchan

2
短編「サイパンから来た列車」を読みたくて古書で購入。書かれたのは50年以上前。玉砕したサイパンから戦後10年経って、深夜の幻の列車で東京駅に降り立った兵士達の目に母国はどう映ったであろうか。著者 棟田 博も、こうした兵隊小説という分類も初めて知った。戦場を描くのではなく、兵隊達の日常を描くことで、戦争の悲惨さをさりげなく描くとともに、兵隊達の喜びや悲しさを描いている。読後感が良かった。2017/03/09

rinrinkimkim

1
半藤さんおすすめの本。ファンタジーと戦争という正反対のベクトルなんだけど、妙にマッチしてて。東京駅に深夜サイパンからの列車が到着するなんて。魂だけが戻ってくるんですよ。妻や子、母に会いに行く人。職場へ戻る人。二重橋で首を垂れ、どうか骨を拾いにきてほしい。と願うボス。誰もが忘れてしまった遺骨収集。ひっそりと続いている遺骨収集に痛烈な皮肉を浴びせています。まもなく戦後80年。自由を享受しみんな違ってみんないい。なんて時代だけれども今日も深夜の東京駅に魂乗せた列車がどこかの島から到着しているかも。戦争反対!2023/10/14

J_L_B_459

1
戦争前から戦後まで、兵隊を描く。解説に曰く「もっとも面白い気質」の「山陽道辺の兵隊」が方言も活き活きと描かれている。筆者自身の兵役経験によるものだろう。兵隊生活の中での出会いと別離、コミカルとも言えるようなエピソードから一転する分寂寥感が強い。「ポッポ班長万歳」で顕著。敗戦の前後で、敗戦後十年の東京で… サイパンで戦死した兵隊の霊が遺してきたものを見ようとやってくる表題作は各兵隊の群像劇のようでもあり切ない読後感がある。水木しげる自身を描いたドラマで幽霊となった兵隊が水木の前に姿を表すシーンを思い出す。2021/10/08

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