内容説明
あの戦友も、この戦友も、極寒と飢餓の中に死んだ。だが、おれたちは生きる。ソ連軍囚人ラーゲリから果敢に脱出する三人の日本兵がたどった波瀾万丈の実録生還記。強制労働収容所で辛酸をなめ尽くし、屈辱に耐えながら、故国に残した父母を想い懐かしの山河に抱かれるまではと、懸命に生き抜いた男たちを描く。
目次
決意
動機
計画
朗報・暗転
準備
脱出口
脱出
逃亡拠点
列車行
挫折
スパイ嫌疑
移送
毒薬？
護送
尋問
拷問
禁錮刑
結末
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高橋 橘苑
1
一般教養のつもりでシベリア収容所関連の本を手にしてみた。極寒と飢えの中で、大人しく座して死を待つより、囚人ラーゲリからの逃亡脱出を図った男たちの話が痛快である。偶には戦争関連の書物もいい。生きると言うことの重さ、戦友（友情）のありがたさ、たとえ死の可能性があっても訴えたい思い、それらをこの本は充分堪能させてくれた。誰しもが抗し難い運命の中で生きている。生きることに最善を尽くすことを改めて学んだ。2013/05/02
