内容説明
日独伊三国同盟の下、ハルピン特務機関長として数万人のユダヤ難民を飢餓と凍死から救い出し、北方軍司令官として、『太平洋戦争最大の奇蹟』キスカ撤退作戦に力を尽くした陸軍将官の生涯!帝国陸軍随一の人間愛あふれる樋口季一郎将軍の物語。
目次
第1章 ゆるぎなき決断
第2章 せまりくる危機
第3章 アッツ守備隊の最後
第4章 流氷の海の彼方に
第5章 凍原に日は落ちて
第6章 占守島を血に染めて
終章 はるかなるアッツ
著者等紹介
相良俊輔[サガラシュンスケ]
大正9年、東京に生まれる。文芸誌、娯楽誌の編集記者十余年、その間、山手樹一郎、山本周五郎、外村繁、牧野吉晴氏らと親交をふかめ作家生活に入る。文芸誌「不同調」に処女作「虚構の夜」を発表。以後、新聞連載小説や児童小説を執筆する。動物小説、熱血冒険小説の著作多数。昭和54年8月、歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なかもも
9
樋口季一郎軍司令官の生涯。多くのユダヤ人を救った勇気ある決断や、ドイツからの抗議を受けた政府に対し堂々と考えを述べ、意志を貫く姿に感銘を受けた。また、オトポールの件が後々の彼を助けることになるとは驚きだった。アッツ玉砕にキスカ撤退、そして終戦したにも関わらず、不法に攻めこんできたソ連軍を迎え撃つ占守島の戦いなど、それらの背景が生々しく伝わってくる。ソ連の非道を許してはいけないと思うし、祖国を守るため戦ってくださった先人の方々に、改めて尊崇の念を捧げたい。2017/01/19
もちもち
7
日本人でユダヤ人を救った人というと杉原千畝のことばかりな が教えられるが、実績では樋口将軍も劣らないと思う。 海軍ファンとしてはキスカ撤退のところが一番面白かったが、この方にとってはアッツ玉砕のことが頭から離れた日はないんだろうな…2021/11/17
ゆずこまめ
6
杉原さん以外にもユダヤ人を助けた人がいたのですね。上の判断に逆らってでもそういう行動ができた彼らは素晴らしい。私もそういう人間になりたいけど…難しいですよね。2014/01/09
まっちゃん2
2
この1,2年で読んだ書物のなかで1,2くらい感銘した書物。人道の武士であり、強かった。数少ない帝国陸軍のパーフェクト戦である、キスカ撤退作戦と占守島防衛戦の最高指揮官であり、満州においてオトポール事件で2万のユダヤ人を救った軍人。神といっていいでしょう。ぜひとも映画でその生涯を描いてほしい人物です。2020/01/03
Takayuki Oka
2
仕事でモヤモヤした時には、やはり光人者NF文庫が鉄板だわ。 久しぶりに読み返したけど、元気が出たぞ。 特に占守島の戦いのくだりが秀逸で、何度読んでも気持ちが高ぶるな。2013/10/09
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