内容説明
太平洋戦争は情報漏洩に気づかず敗れた!陸海空にかつてない規模で展開された戦いの帰趨を決したのは「情報」だった。暗号解読・情報戦史研究の第一人者が日米の戦いを中心に、戦史の裏側に隠された熾烈な暗号戦・情報戦の実態を描く。
目次
米海軍情報部が「日米開戦・奇襲攻撃」の危機を警告した時
南雲機動部隊の無線封止は破られていたのか!?
南雲部隊の単冠湾集結は暴露されていたのか!?
“開戦秘話”「エンタープライズ」はなぜ真珠湾にいなかったのか
米海軍を仰天させた「機密アタックまっぷ」を読む
海軍D暗号は真珠湾攻撃前に解読されていた
盗まれていた聯合艦隊「MO作戦」プラン
解読されていた「ミッドウェー攻略作戦」の秘密命令
「ミッドウェー海戦」暗号解読トリックの舞台裏
逆転劇を演出した日米情報戦能力の格差〔ほか〕
著者等紹介
原勝洋[ハラカツヒロ]
静岡県下田市に生まれる。法政大学法学部卒業。著書に『巨大戦艦「大和」全軌跡』(学研プラス)など。編書に『伝承戦艦大和(上・下)』(潮書房光人新社)などがある。TVドキュメンタリー番組への協力・出演も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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つわぶき
4
米軍による、帝国海軍の通信情報の解析と暗号解読とそれによる作戦戦闘への反映の様相を記述した本。予め敵の情報を得ることの重要性は言うまでもないが、それを実現するための多大な努力とその技術の機微さ(それは山本五十六の視察予定の電報傍受を示す、情報戦に関わる文書の機密解除がその他のWW2関係文書のそれと比して時間を要していたことからも窺える。)がよく伝わってくる。その過程から得られる教訓は、情報技術が益々高まっていく昨今の情報セキリュティ(軍事・非軍事問わず)にも活きるであろうと思う。2023/12/09